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「ゼルゾア病にそのような病状があるなんて、私は聞いたことがありません」
クレイ牧師の一言に私とアッシュは顔を見合わせる。悪い予感がしたからだ。リオネルが口にしていた不安を思い出す。
(毎晩高熱にうなされ全身に赤黒い斑点が浮かび上がる。それが増えていくにつれ父の命が削られているようで……)
そう言って言葉を詰まらせるリオネルに必ず薬を取って戻ってくると約束したのに、頭の中には良くない想像が次々と浮かび上がる。それを振り払おうとクレイ牧師に質問を続けた。
「……王様は全く別の病気にかかっている、ということなのでしょうか?」
「いや、発熱や呼吸器の病状はゼルゾア病に類似しています。ただ余命宣告を受けていた当時の私でさえ赤黒い斑点は出ていません」
重症化したときの症状でもないということか。だ***************************
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