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10の地区からなるセインテニア国の南東に位置するのが私の生まれた場所、ミアーナだ。面積は10地区の中で一番小さく、豊かな自然が広がっている。
一部の貿易を除いて渡航が禁止されているアゼベへ渡るはずだった従来の目的と比べれば、自国で地続きのミアーナに行くことは容易いことのように思えるが、そう簡単じゃない。
ミアーナは天候が変わりやすい。
「山の上に積乱雲が見えるな。この先は荒れそうだ」
馬を走らせながら遠くの山に視線を向ける。
アッシュの言う通り、どんよりと重たい雲が浮かんでいて今にも落ちてきそうだ。すでに山には大粒の雨が降っているのか、山の頂上は霧に覆われている。
「もうすぐ日も暮れる。宿を探そう」
その瞬間、雨が堰を切ったように降り出してアッシュの声を遮＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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