トニョ菊です!!
ちょっと辛い感じの描写が最後の方あります!
それでもいい方のみどうそ!!
太陽が昇る国、日本、海の波が打つ砂浜にアントーニョは上陸した。
そこは、とても綺麗な太陽が見えていた。
「あー!ついたぁ〜!遠かったぁ〜」
両手を上げ背伸びをしながら疲れた声を漏らす。
するとアントーニョはすぐさま海と反対方向に走り出した。
今日アントーニョが日本に来たのは会いたい相手がいるからだ、その人の家はこの海からすぐ近くにある古い日本家屋。
そして走っていくと日本家屋の前に和服を着た黒髪黒目の男性が外に立って木を眺めていた。
「菊〜!!」
アントーニョが大声を上げながら菊に近づくと菊は声のした方をパッと向いた。
「アントーニョさん、、、!」
全速力で走った後菊の手前で急に足を止めたからかかなり息切れしていた。
「あらあら、そんなに急いで来なくてもよろしいのですよ?」
「えぇ〜菊に会いたかったんやもん!そら走りたくなるわぁ〜」
「ふふ、私もお会いしたかったですよ」
「んで、何みてたん?」
先ほど菊が何を眺めていたのか問うアントーニョ。
「ああ、桜の蕾ですよ、もうそろそろ咲く時期ですからね」
「へぇ!桜!俺まだみたことないなぁ」
「あら、そうなんですか?」
少し驚いたような顔で菊はアントーニョの顔を見つめる。
するとアントーニョはいいことを思いついたかのように顔を明るくして菊に話しかけた。
「なぁ!桜が咲くまで、俺ここにおってええ?」
「もちろん、いいですよ、、、!」
「やった!」
アントーニョは嬉しそうに菊の顔を見て笑った。
そしてすぐさま菊の腰あたりを持ち、上へ持ち上げる。
いきなり持ち上げられ菊はものすごく驚いた顔をした。
「わわっ!」
「あははっ!菊ちゃん驚きすぎやろ〜!」
そしてアントーニョは持ち上げた菊を片腕で支え、家の中へ入っていく、その間菊は落ちることを心配したが、案外安定感があったためその心配はどこかへ行ってしまった。
そして家の中へ入ると、2人は今まで会っていなかった間の話をした。
その日も、その次の日も、2人は楽しく会話をした、そんなことをしているうちに3日目には桜が咲き始めていた。
菊の家の縁側から見える桜の木を見ながらアントーニョはつぶやいた。
「ピンク色なんや、、、」
「えぇ、綺麗でしょう?」
「確かに!ピンクの花ってよう見るけど、木になっとるんはあんま見ぃへんな!」
その桜が満開になったら帰らなきゃいけないという事実ともっと菊と一緒にいたいという気持ちを抱えながら、嬉しいような悲しいような気持ちを抱く。
「これ、満開になったら綺麗なんやろなぁ」
密かにそうぼやきながら桜の木を眺め、どうか満開に咲かないで欲しいと願う。
数日後、アントーニョの願いは叶うことなく、桜は満開に咲き誇った。
「綺麗や!すっご!これこんななるん!」
大興奮のアントーニョをくすくすと笑いながら菊は庭にいて桜を眺めているアントーニョに近づく。
「今が満開ですね〜あとは散るだけです」
菊と一緒に眺める桜はすごく綺麗ですごく、、、神秘的だった。
アントーニョは桜ではなく、隣にいる男に目を奪われた。
「ほんまに、、、綺麗やわ、、、」
「えぇ、本当に綺麗です、、、!」
愛しそに桜を眺める菊がどうしても好きで、愛おしく感じたアントーニョは気付けば菊の顎を持ちこちらに向かせ、キスをしていた。
ちゅっ
「ア、アントーニョさん、、、!?」
「あ、すまん、、、!つい、、、」
「い、いえ、、、////」
菊の顔は真っ赤になっていた。
そしてふとアントーニョは思った、嫌がられなかったということは自分にも脈があるんじゃないかと、そんな期待を少し抱きながら、桜と菊を惜しむように見た。
すると隣で菊がそっと口を開いた。
「桜は、散り際も素敵なんですよ」
「へぇ!そうなんや!見てみたいけど、俺帰らあかんよな、、、そろそろ、、、」
少し残念そうな声を出しながらもっと一緒にいたいという気持ちを押し殺した、なぜならこれ以上好きになってはいけないし、長居してしまっては迷惑だと考えたからだ。
すると菊がアントーニョの服の裾をクイっと引っ張った。
「桜が全て散るまで、、、いませんか、、、」
思いもよらぬ問いかけにアントーニョは目を見開いた。
「ほ、ほんま!?ええの!?俺おってええの!?」
思わず大きな声が出てしまい、顔がぱっと明るくなる。
「ほんま!菊ちゃん大好き!愛しとる!」
口からポロポロと言いたいことが全て出てしまったアントーニョは少し顔を赤くする。
そして菊の顔を見ると愛おしそうにアントーニョを見ていた。
「ちょ、調子乗ったわぁ、、、すまん、、、」
「いえ、大丈夫ですよ、それに嬉しいです!」
お互いなんだかいい雰囲気になり、顔を見合わせ、ゆっくり顔を近づける、すると後ろから「キャワン!」と犬の鳴き声がし、2人はハッとして顔を離す。
鳴き声のした方を見ると菊の飼っている犬のポチが座っていた。
そして2人は先ほどしようとしていたことを思い返し、少しドギマギするが、そのあと軽くちゅっとキスをして菊は晩御飯の準備をしだした。
次の日、朝起きるとアントーニョはすぐさま縁側まで行き、桜を見ようとした。
すると、床一面がピンクの桜で埋め尽くされてた。
「おわ!桜のじゅうたんや!」
はしゃいでいると後ろから声をかけられた。
「散り始めたんですよ〜!散り際も美しいですし、風が吹いた時は桜の雪が降りますよ」
「へぇ!桜の雪!、それより、、、散るんはやない!?」
大袈裟に驚くアントーニョをに少し笑みをこぼす、すると菊は床に落ちている比較的綺麗な桜の花びらを持ち上げ
「押し花にでもしましょうか!」
「おしばな、、、?ようわからんけどやってみてや!」
「そうですね〜じゃあ少し桜の木から花びらではなく一輪もらいましょうかね」
そう言って菊は少し桜のついた草履を履き、アントーニョもそれに続き桜に埋もれた靴を履いて桜の木に近づいた。
「ここから好きなのを一つとってくださいな」
聞くの言われた通りにアントーニョは良さげな花びらを一つ掴んだ。
「これにしよー!」
そう言って桜を取ろうとした瞬間、ぶわっと風が吹いた。
「わっ、、」
菊の和服がばたつく中、桜は見事に風に乗って飛んでいっていた。
「ほら、みてください、、、!とても綺麗で、、、」
ガシッ
そう言いかけた時、急に腕をガッと掴まれた。
「アントーニョさん、、、?」
「あっ、、、す、すまん!なんか、、、連れていかれそうやったから、、、」
すると菊は少し驚いた顔をした。
なぜなら、桜に連れ去られそう、というのは日本で桜のように綺麗で桜と一緒に連れていかれてしまいそうだ、という一つの告白として使われる用語だ、それをスペイン人のアントーニョが言ったことに驚いていたのだ。
少し驚いた菊だったが気を取り直して、
「連れていかれませんよ、安心してください」
「そ、そうやんな!変なこと言うたわぁ〜」
そのあとは桜が全て散るまで、2人の時間を過ごした。
アントーニョが帰る日、菊は見送るために船の近くまで来ていた。
「またな!菊!近いうちにまた来るけんな!」
「はい!お待ちしております!」
そして菊はすっと桜の花と花びらを押した押し花の栞をアントーニョに手渡した。
「あ!これが押し花ってやつ?」
「そうです!花をずっと維持できるんです」
「へぇ、ええな!これみてたら菊のこと思い出すわ!」
ニコニコと笑いながら菊をギュッと抱きしめる。
「ほんまありがとう、嬉しいわ、」
「ほんならまた会う時まで!ほんまに、好きやで、、、菊、、、」
「はい、、、私も、、、」
「ほんまはこんなん思ったらあかん気持ちなんわかっとる、それでも好きや、愛してんねん、、、」
「私も、、、愛しています、、、!」
「よし!それ聞けただけで俺すっごい元気出た!これからこの時期に会いに来るわ!桜と、菊を見にな!」
そう元気よく言うと船に乗り込み、船が見えなくなるまで菊は砂浜に立ち夕陽を眺めた。
2人が別れたあと、すぐに戦争が起こり、2人は会えなくなっていた、、、
次の年、アントーニョは桜が咲く季節になっても日本に訪れることはなかった。
菊は庭に咲いたサクラを見上げ、
「桜って、、、こんなに虚しいものでしたかね、、、」
アントーニョは桜の押し花の栞をながめ、
「今年は行けへんな、、、桜って、、、見とってこんな辛いもんやったっけ、、、」
菊は桜の木に近づき花びらに
アントーニョは菊の作った桜の押し花に
そっと口付けをした。
桜よ、 どうか巡り合わせてはくれまいか
こんちゃっす!!おもちっす!
雰囲気ぶち壊しですみません!!
みなさん同人誌欲しいという声が多かったのでちょっと宣伝的な感じで登場しました!!
調べてみればAmaz◯nさんや!とらの◯なさんなどの通販サイトで購入できるみたいですよ!
あと手軽に入手するならメル◯リ等もおすすめです!!よければ調べてみてくださいね!
後からなにか言われるのが怖いので◯つけてます!
それでは!
コメント
6件
ほんまに神すぎる✨ 推しカプが相変わらず尊すぎて死にそう
神すぎません?????? このカプが好きになりました