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鬼ではありませんから首をはねる
わけにはいかないわ
例えローズハート先輩を止めたとしても
ローズハート先輩の後ろに見える化身が
攻撃しては意味がない
それとも、ローズハート先輩が気絶
すれば化身は消えるのかしら?
化身は一体、どういうものかしら
エース
「こいつの魔力底なしかよ!」
リドル
「絶対に、絶対に僕が正しいんだ!!
そうじゃないと、僕は今まで何の
為に…!!」
トレイ
「リドル…!」
ケイト
「トレイ、集中して!気を
抜いたら押し切られる!」
トレイ
「! すまない」
苦戦しているわね
そろそろ行動に移しましょう
何もわからない以上、考えて
いても仕方がないわ
化身を、”斬りましょう”
『後は私に、任せてくださいな』
そう言いながらみんなの前に出た
デュース
「レイ!何をするつもりだ」
グリム
「危ないんだゾ!」
私は振り向いて言った
『そんなに心配しないでください』
大丈夫よ
リドルの方へ向き直し、
刀を構えた
『リドル・ローズハート。貴方は
少し、おいたが過ぎましたね
シィーー 全集中 天の呼吸
壱ノ型 猛将日』
リドル
「ボクが間違っていた?そんな
わけない、よね。お母…様」
倒れるリドルを抱き止め、
意識は切れた
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リドル母
「8歳のお誕生日おめでとうリドル
今年のお誕生日のケーキは、頭が
よくなるレシチンたっぷりの
大豆粉とナッツの低糖質ケーキよ」
リドル子供
「ありがとう、ママ
でも、あのね。僕」
これは、ローズハート
先輩の記憶、かしら?
リドル子供
「一度でいいから真っ赤な苺が
たくさん乗ったタルトが食べて
みたいな」
リドル母
「まあ、なんてことを言うの!あんな
砂糖の塊みたいなお菓子、毒みたいな
ものよ。一切れで一日分の糖質の理想
摂取量をオーバーするわ
さあ、今日はドコサヘキサエン酸と
イコサペンタエン酸がたっぷりの
ヘルシー名マグロのステーキよ
ああ、でも、8歳の理想のカロリー
摂取量は1食600kcalだから
100g以上食べすぎないで。いい
わね」
リドル子供
「はい。ママ」
私とは真逆ね。私は食べたくもない
油っこい料理をたくさん食べさせられ
たわ。肥えて大きくして、鬼に食べ
させるために
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リドル
「僕はずっと、真っ赤な苺のタルトが
食べてみたかった。たまに通りかかる
ケーキ屋さんの、ショーウィンドウに
飾ってある宝石みたいなタルト」
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リドル母
「本日の古典魔法の勉強はここまで
明日までに今日の勉強に登場した
魔法論理学における、言語哲学の
教本を50ページ予習しておくこと
では、次の魔法薬学の勉強の時間
まで1時間自習にします」
リドル子供
「はい、お母様」
リドル母
「お母様は少し用事があるから、
また1時間後にね」
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リドル
「分刻みで詰め込まれるありとあらゆる
学問。出来なければ出来るまで延長
される学習時間。でも、これがボクの
普通だった」
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コンコン
リドル子供
「窓を誰かがノックしてる?
わっ、出て来た」
チェーニャ子供
「なーなー。一緒にあーそーぼ!」
リドル子供
「君達は誰?」
チェーニャ子供
「俺はチェーニャ!こっちはトレイ!
一緒にクロッケーしようよ」
リドル子供
「え、無理だよ。今は自習
時間なんだ。勉強しなきゃ」
チェーニャ子供
「自習って、何を勉強するか自分で
決めていいがね。遊ぶのも勉強って
じーちゃんが言ってたにゃあ」
トレイ子供
「少しだけ、降りてこない?」
リドル子供
「ちょ、ちょっとだけなら」
トレイ子供
「君の名前、聞いていい?」
リドル子供
「リ、リドル。リドル・ローズハート」
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リドル
「トレイとチェーニャと遊ぶのは、
凄く楽しかった。知らないこと、
やったことない遊び
2人はたくさん教えてくれた
それから、1日1時間だけの自主
時間は毎日、お母様に内緒で部屋を
抜け出した」
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チェーニャ子供
「えっ!リドルってイチゴのタルト
食べたことにゃーの?」
リドル子供
「うん。お母様が身体に
毒だからダメだって」
トレイ子供
「そりゃ食べ過ぎは良くないかもしれ
ないけど。あのさ、俺んちケーキ屋
なんだ。今から食べに来いよ」
リドル子供
「えっ、でも」
トレイ子供
「一切れくらい大丈夫だって」
チェーニャ子供
「俺はホールごと食い
たいくらいだにゃあ」
ふふっ 子供は我慢しないでいいのよ
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リドル
「真っ白なお皿に乗った真っ赤な苺の
タルト。僕にとってはどんな宝石より
キラキラ輝いて見えた
一口食べたタルトは、すごく甘くて、
食べたことがないくらい美味しくて、
僕は一口ずつ味わいながら夢中に
なって食べた。 ”時間を忘れて”」
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リドル母
「なんてこと!自習をサボっただけで
なく外で砂糖の塊を食べてくり
なんて!
あの2人がリドルをそそのかした
のね。あんな悪い子たちと、二度と
遊ぶことは許しません!」
リドル子供
「ごめんなさい、お母様!
もうしないから許して!」
リドル母
「お黙り!お前がルールを破るから
いけないのよ。ああ、やっぱり自由
時間なんて持たせるんじゃなかった
もっともっと完璧に管理しなくては」
完璧?どこが完璧なのかしら?
今のローズハート先輩の顔を
見てみなさい
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リドル
「ルールを破れば楽しい時間まで取り
上げられてしまう。だから、お母様の
決めたルールは絶対守らなきゃ。この
街で一番優秀なお母様は、いつでも
正しいはずだから
でも、ねぇ、ママ。何でだろう?
何故だかとっても胸が苦しいんだ
お誕生日だけでいいから、いっぱい
タルトが食べたい。お外でいっぱい
遊びたいもっといっぱいお友達が
欲しいよ
教えて、ママ。どんなルールに
従えば、この苦しさは消えるの?」