テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
時が少し経ち、俺たち学生は長い休みに入った。
そう。みんな大好き夏休みである。
舜とはあの日以来、恋人として何回かデートをした。
もう十分舜との時間を満喫できているのだが、折角たくさんの時間を確保できるので、丸一日中デートをしまくりたい。
そう思い、そのことを舜に伝えた。
案の定、舜も乗り気で賛成してくれた。
そして今、デートプランについて話し合っている。
「せっかく夏なんやし、夏っぽいことしたいよなぁ…」
「夏っぽいことって例えば?」
「んー…プールとか花火とか…」
「あっ!お祭りなんかもあるで!」
「いいじゃん。全部楽しんじゃおうよ」
「ほんまに!?盛りだくさん過ぎひん?」
確かにプールも花火もお祭りも…となると本当に丸々1日使わないと制覇するのは難しい。
俺と舜も家の方向反対だし…。あっ。そうだ。
「1日目に花火とお祭りにして、2日目にプール行こ」
「一旦日を跨いで再集合するん?」
「俺ん家泊まればいいじゃん」
「…えっ!?いいん…?」
「別にいいよ。この日ならちょうど親いないし、花火大会も近くでやってるよ」
「ほんま!?やったー!」
ニコニコしている舜を愛おしく眺めながら、デートのプランを決めていった。
デート当日――。
花火大会とお祭りは基本的に夕方からなので、集合は遅めにしていた。
「柔〜!!お待たせ〜!!」
舜が少し大きめの荷物を持って走ってくる。
手を大きく振って駆け寄ってくる様子は子供みたいで本当に可愛い。
「荷物持つよ。大変でしょ?」
「え、いいん?ありがとう」
「一旦荷物俺ん家に置いてから行こっか」
「ここから数分もしないし」
「ほんまに助かる〜」
舜の荷物を増やしてしまうのは盲点だった…。
でも、いきなり”家に泊まらせてくれ”なんて頼めないので、結果的にこっちで良かったのかもしれない。
俺たちは荷物を置いて、会場となっている神社へと向かった。
やはり、みんな考えることは同じで、道行く人が全員同じ方向へと進んでいっている。
「人多いかも。ごめんね? 」
「全然!なんなら人多い方が盛り上がるやろ!」
何でもポジティブ思考に変換できる舜にはいつも尊敬する。俺には簡単にできたことじゃない。
歩き進めているうちに、神社に着いた。
「屋台いっぱいや!」
「柔!あれ食べに行こ!」
舜に手を引かれ、屋台へと連れられる。
かき氷、フルーツ飴、焼きそば、ホットドッグなど色々な食べ物が並んでいる中、舜が一直線に向かった先は―。
「チョコバナナ?」
「せや!柔も一緒に食べへん?」
「いいよ。食べよ」
舜はホワイトチョコレート、俺は普通のチョコレートのバナナを買った。
「ん!めっちゃ美味しいで!」
めいっぱいチョコバナナを頬張る舜。
笑顔満点で食べてるのが幸せそうでこっちまで幸せになる。
「他にも食べ物買いに行こうや!」
「いっぱい食べるで〜!!」
「ちょっ…!舜!逸れるから!」
俺は舜の手を取り、離れないように指を絡ませた。
「手、繋いどこ?」
「へ…っ、あ…うん… 」
さっき自分から俺の手を引いた時は何も気にしてなかったのに、こっちから手を繋ぐと照れるんだ。
舜はさっきの勢いを無くし、大人しく俺の隣を歩く。
「何食べたい?」
「んー…焼きそばとじゃがバターとわたあめとかき氷と…」
「待って、多すぎ」
「せめて2つにして」
「じゃあ、焼きそばとかき氷…」
「よし。いい子」
俺たちはその2つを買いにまた屋台の通りへと向かった。
コメント
1件
あおいです🌷 『おまけ①』読ませていただきました! 夏デートのわくわく感がすごく伝わってきました〜。柔くんが舜くんの荷物を持つところとか「手、繋いどこ?」って自然に絡ませるところとか、細かい気遣いにドキドキします。チョコバナナほおばる舜くんの「ん!めっちゃ美味しいで!」の笑顔が目に浮かぶようで、こちらまで幸せな気持ちになりました🍌💕 2人で過ごす時間がどんどん増えていくの、読んでて温かい気持ちになりますね。続きも楽しみにしてます!