第37話 「終わりと始まり」
「責任感とか、友達だからとか、そんなのどーでもいいんだよ。だって、俺は――」
続く言葉は一瞬のはずなのに、夏実にはとても長い時間に思えた。
「――ずっと桜木が好きだった」
「……え?」
言われた言葉そのものが、夏実の脳内に届くまでに時間がかかったからだ。
「あの日だって……責任がとか色々言ってたけど、そんなのほんとは……二の次で……ああ、これなら……付き合う理由ができるって思って……」
「あ、え」
「今だって……他人から見たら、落ち込んでる子につけ込むようなもんだし……しかも、別れたばっかのヤツが傍にいたって……いい気分じゃないよな」
言いながら、京輔は小さく笑う。
「でも、桜木のこと好きなんだ。好きな子が落ち込んでるの、遠くで見てるだけなんて……嫌だ」
笑っているのに――京輔が缶を握る手に、力が篭ったのがわかった。
まるで――怯えてい***************
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