???「うわぁ……」???「すごいですね……」
???「やってきたね……」
「この」
「「聖域へ」」
???「いやコミケでしょ」
そう、今日「雨花」、「橙」、「桃時」が来たのは
オタクの群生地……
「コミックマーケット」である!!
???「コミケを聖域とはよく言ったな!雨花さん!」
そして、オタクとしてこの小説で忘れちゃいけないのがこの男……「紅蓮」である。
紅蓮「雨花さん」
雨花「ん?なんでしょな?」
紅蓮「橙さん」
橙「はい?」
紅蓮「桃時さん」
桃時「何よ?」
紅蓮「ここがどういうところか分かってるかね?」
橙「漫画を売り買いするところですよね?」
桃時「それぐらい知って……」
紅蓮「違う!!!!」
橙・桃時「!?」
紅蓮先生は、ぐっと橙と桃時に近づいた。
紅蓮「良いか?ここは雨花さんが言ったように聖域だ!オタクという日本を総称する人種が集まるオタクにとってのサンクチュアリ!!それがここだ!!それを仇なす者は死の鉄槌を!!!!ドゥーユーアンダースタンド?(ノンブレス)」
桃時「最後の英語が腹立つわね」
橙「すごい熱量でお話なさるんですね」
雨花「割といつも通りじゃない?」
紅蓮「よし!ぽまえらにはやって欲しい仕事がある!」
橙「まぁそのために呼ばれましたからね」
桃時「丁度お金に困ってたから助かるわ」
雨花「どうせ売り子さんやるんじゃないですか?」
紅蓮「それはそうなんだけど……ぽまえたち!このダンボール持ってくだされ!」
雨花、橙、桃時はダンボールを持たされると、背中を押され、それぞれ更衣室に入らされた。
雨花「この服って……」
橙「何ですか?この服……」
桃時「げっ……」
紅蓮「早く着替えてくれ〜着替えやすい衣服にわざわざしたんだ。大丈夫なはずなんだが」
雨花「まぁ着替えますね」
橙「こんな暑い日なのに」
桃時「アタシこの服苦手なんだけど」
十数分後
雨花「着替えましたよ〜」
橙「ちょっと着たことない服ですね」
桃時「はぁ……」
紅蓮「おぉ!やっぱり三人は似合ってるな!この……」
「「執事服!!」」
雨花、橙、桃時は、それぞれの髪色と合った執事服を着ていた。
橙「今日は猛暑ですよ!絶対暑くなるじゃないですか!」
紅蓮「そういう文句絶対言うと想ったので、通気性抜群着やすさ抜群の服に仕立ててもらいました!かっこよさも忘れずにね!」
桃時「何でメイド服にしなかったのよ!?」
紅蓮「女の子が男物の服を着てる……!萌えポイントじゃないか!!」
橙・桃時「知るか!!」
雨花「ウィッグ似合ってる?わたし」
桃時「あんたはもっと怒んなさいよ!!」
雨花「わたし男装したの初めてだから嬉しいんだよ!!」
橙「まぁ雨花さんは大抵こんな感じですよね……」
紅蓮「はいじゃあ!着替えも済んだところで!俺のスペースまでレッツゴー!」
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紅蓮「ここ!俺のスペース!」
雨花「ここが紅蓮先生のスペースなんですね!」
桃時「どんなものを描いてるんです?」
橙「ええっと……ひゃっ!////」
雨花「おっと」
橙は手に持った紅蓮先生の描いた本を落としてしまった。それをキャッチする雨花。
橙「ちょっと……あ、あなた!!こんな……その……はし……たない……なものを生徒を使って売買させるなんて……」
桃時「そうだった。橙はこういうハレンチなもの苦手なんだった」
雨花「どれどれ……あっでもこれ15禁だよ?ギリわたしたちは大丈夫だよ」
紅蓮「通常は18禁描いてんだけど、今日はぽまえらに手伝って貰うから、ギリギリ大丈夫な奴にしたんだ!それにしても、この程度で、エッチとか言ってるようじゃ、瑠璃人さんとはまだまだだな」
雨花「あっ自ら墓穴を……」
紅蓮「え?……ぐっっはっ!!!!」
紅蓮先生はギリ鳩尾から外れたところを橙に殴り飛ばされた。
桃時「KOね」
紅蓮「お、俺は勇気を……持って橙さんと瑠璃人さんのために……苦言を呈してやっ……たのに」
雨花「勇気と無謀は全く別物ですよ」
桃時「橙も今は怒りを抑えて、早く準備しちゃいましょ」
橙「はぁ……そうですね」
雨花「それで具体的には何やるんです?」
紅蓮「雨花さんには、接客。桃時さんには釣り銭計算。橙さんには列が長くなってきたら最後尾の看板を持って目印係をやって欲しい!これを回りながらやって欲しいんだ!」
桃時「はぁ……?あんたやらないの?」
桃時は腰に手をやり、指で紅蓮先生の喉をぐりぐりする。
紅蓮「ちょっと待ってくれよ!!俺ももちろんやるよ!でも、俺は他のスペース周って同人誌買わないといけないんだよ!!だからお前らだけに任せる部分もあると想う。でも、ちゃんと給料渡すから……な?」
桃時「そもそも生徒使って売買の手伝いさせるのもどうかと想うけど」
紅蓮「俺にはぽまえら生徒会しか生徒兼友達いないんだよ〜」
橙「ていうかこの人給料額の計算とかできるんでしょうか……?」
雨花「大変そうだね〜」
紅蓮「…………」
何故、雨花さんと橙さん、そして桃時さんという色んな意味で毒を持つ三人を売り子に選んだか……それは……
「ねぇ私たちのスペースの近くにいるあの子たち……!」「すっごくイケメンじゃない?」「男装女子なんだね!」「髪の色も特別感があって素敵」
そう、この三人を売り子にすれば……
ぼろ儲け出来るかもしれないから!!
この三人は顔が良い!!ていうか鬼灯町に住んでる人間はみんな顔面偏差値が高い!!(俺はそうでもないけど……)それが町外に出てみれば、いやはやいやはやともてはやされる。鬼灯町の中はイケメン美少女まみれなのでみんなは顔の良さに慣れている。(兎白さんなど一部の超越した顔面国宝を覗いて)髪の色も鬼灯町の中では珍しくないが、しかし、この顔と髪はここでは目立つ!!
そうすれば、俺の漫画も売れるかもしれない!
紅蓮「ぬっふふふふふふ…………」
橙「先生、不気味に笑ってますよ?」
桃時「なんかキモイわね」
雨花「じゃあ平常運転だよ」
「ていうか」
桃時「あんた……さっき「列が長くなってきたら……」って言ってたけど、あんたの漫画って人気あんの?」
紅蓮「あぁあるぜ。それなりには。」
雨花「ここで、調子に乗らず、謙遜するってことは本当に人気あるんだね」
橙「どうやらそうみたいですね」
桃時「こんな奴の描いた本が売れるなんて世も末ね」
紅蓮「え?ひどくね?」
雨花たちは無事、コミケを終わらせられるのか!
【続く】