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猫とろ
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ねらち
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前回の事件は無事に解決し、受付のAIアンドロイドさんも美少女探偵の能力で完全に修復され、元気に勤務を再開していた。
そして、新たな事件が起きた。
都内の超高級タワーマンション、45階の一室。
20代の女性が刺殺され、同棲していた同じく20代の女性が「窓から飛び降りた」という通報が入った。しかも、落下の途中で煙のように姿を消したという。
最初に現場に入ったのは、加賀美警部補と武藤刑事だった。
加賀美は黒髪のポニーテールを揺らし、冷静に室内を見回す。被害者はベッド付近で倒れ、胸に深い刺し傷があった。
窓は大きく開かれ、カーテンが風に揺れている。
武藤は茶髪のショートヘアをかき上げながら、メモを取っていた。
「先輩、落下地点に人は見つかってないっす。地上も、途中の屋上も、何もなしっす」
「……煙のように消えた、か」
加賀美は窓枠に手をかけ、下を見下ろした。45階からの眺望は良いが、この高さから落ちればまず助からない。なのに遺体がない。
間もなく、現場に美少女探偵・姫神姫が到着した。
薄い金髪のゆるふわロングを揺らし、いつものように少し浮かれた表情で入ってくる。
そして刺された美少女の身体に軽く触れた。
その時、不思議なことが起きた!
絶命していた美少女が生き返ったのである。
生き返った美少女は、キョトンとしていて状況がわからず黙っていた。
「現場検証、開始でごぜぇやす! これは明らかに、犯人がパラシュートで脱出した事件でごぜぇやすね!」
加賀美は小さくため息をついた。
「美少女探偵、まずは物的証拠から確認しようよ」
しかし姫は止まらない。部屋の中を歩き回りながら、次々と的外れな推理を口にする。
「窓から飛び降りた瞬間にパラシュートを開いて、煙幕を焚きながら逃げたんです! だから途中で煙のように消えたように見えたんでごぜぇやす! パラシュートなら高くからでも安全に降りられますし、煙で目立たなくしたに違いありません!」
武藤が苦笑いを浮かべる横で、加賀美は淡々と現場写真を撮っていた。
窓の外枠に、ごく薄い擦れた跡があることには、この時点で誰も深く気づいていなかった。
姫は満足げに腕を組み、スマホを取り出した。プロフェッサーMに電話をかける。
「プロフェッサーMでごぜぇやすか! 今回の事件、私の推理を聞いてください! 犯人はパラシュートで脱出したんです! 煙幕を使いながら……」
電話の向こうで、プロフェッサーMの明るい声が弾む。
「ほほう! で、パラシュートの残骸は? 開傘した痕跡は? 煙幕の残留物質は現場から検出されましたか? 45階からパラシュートで降りるには、それなりの準備と時間が必要でshow。目撃証言に『布が広がった』という話はありますか?」
「そ、それはこれから調べるのでごぜぇやす……」
「零点ナノデス。証拠もなく『パラシュート』と決めつけるのは早計でshow。もっと現場をよく見てくださ〜い!」
あっさり切り捨てられ、姫はガックリと肩を落とした。
「うぅ……零点だなんて……パラシュートだと思ったのに……」
加賀美はそんな姫を横目で見ながら、窓の外をもう一度観察した。
風が強く、カーテンが揺れる。
ふと、窓枠の外側に不自然な擦過傷があることに気づく。
「武藤、清掃業者の記録を取り寄せて。このフロアの窓清掃が、事件当日に入っていなかったか確認して」
「了解っす!」
武藤が急いで連絡を取りに走った。
姫はへこみつつも、加賀美の真剣な横顔を見て、少しだけ持ち直した。
「加賀美警部補は、やっぱりすごいでごぜぇやす……私なんて零点なのに」
加賀美は短く答えた。
「ゼロ点でも、現場に来たからには次はもっとよく見て!別の逃げ方があるはず!」
夕暮れの45階から見える街は、すでに明かりが灯り始めていた。
窓から消えた犯人の行方は、まだ闇の中にある。
だが、この「煙のように消えた」謎は、意外なほど単純な答えを見せることになる——。
コメント
3件
第60話、読ませていただきました! 姫神姫のパラシュート推理、自信満々だったのにプロフェッサーMにあっさり「零点」って切り捨てられてるところ、思わず笑っちゃいました😂 でも、加賀美警部補が「ゼロ点でも現場に来た意味はあります」って優しくフォローするのがすごく好きです。彼女なりに成長してる感じがしますね。 窓枠の擦過痕がどんな伏線なのか、次が気になります!