動画を見ながらフィルムが乾くまでの時間を過ごすことにした
キリのいいところでしょっぴーが尋ねてくる
「写真そろそろできる?」
「さっき見た感じやと、あとちょっとかかるな」
「ん、そっか」
「しょっぴー、明日は早いん?」
「ん?いや、昼から」
「じゃあ泊まっていきーや」
「んー、、、いや今日は写真見たら帰る、寝てたら起こして」
「えー、さみしいやん」
「1日一緒にいただろ笑」
「せやけど〜」
「だぁもう、抱きつくなって」
やめろとは言われつつ振り解かれはしない
それをいいことに、しょっぴーに腕を回したまま動画の続きを見る
しょっぴーの体温が高いなと思ったら、いつの間にか寝てしまっていた
腕の中ですぅすぅと寝息を立てる顔は穏やかだ
そろそろフィルムも乾いている
今のうちに何枚か選んで印刷しておこうとそっと腕を外して暗室へ向かう
起こすのはその後でもいいだろう
フィルムをスキャナーに通してPCで写真の出来栄えを確認し、気に入ったショットを何枚か選んで、印刷をする
特に、穏やかな顔をしてマグカップでコーヒーを飲む横顔は、曇り空の日ならではの柔らかな光の溢れる空間も相まって、しょっぴーの綺麗さが際立っている
「ほんま…綺麗やわ…」
写真を持ってリビングに戻ると、しょっぴーはまだ気持ちよさそうに寝ている
「しょっぴー?起きへんの?」
「……んぅ」
「写真、何枚か印刷してきたで?」
「ん……みる……」
「ほな、目ぇあけて」
「んん、うん」
「おーい、閉じてどうするん」
「あけ、るって………………」
「……完全に寝てもうたな」
無防備な寝顔を見つめる
入ったばかりの頃は、俺のスキンシップに辟易として、ちょっと嫌そうな顔もよくされていた
それでもめげずに絡み続けたら、前ほど嫌がられなくなったし、家にも来てくれるようになった
「俺は、もっとずっと近くにおれるようになりたいんやけどな…」
進歩はしてると思うが、1つ進むとまた、もっともっとと思ってしまう
怒られるだろうなと思うから、言い訳のために、もう一度だけ声をかける
「しょっぴー、帰るんやなかったの?」
「ん……」
体を揺り動かして大きい声で呼べば起きるだろうが、できたら帰したくはない
「俺は声かけたけど、しょっぴーが起きひんかったんやからな」
少し卑怯な自分からは目を背けて、そっと寝室に運び、目覚ましをかける
しょっぴーを抱きしめて体温を感じながら、徐々に眠りに落ちていった
コメント
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キュンとしたぁ🧡💙
