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映画館についた。
トイレに行って、中に入る。
やはり人気の作品だったのか人も多い。
「楽しみだね」
席について寧々さんがそう言った。
「…そうですね」
CMが終わり、本編が始まるーー
「すっっっっごい良かったね!!」
映画が終わるなり寧々さんは興奮して感想を話した。
「そうですね、オリジナルもあって良かったです」
「ね!やっぱり主人公が真実を全て知った時が1番凄いと思ったし、鳥肌たった!」
最後はスッキリとした良い終わり方だったし、きっとすぐ人気が出るだろう。
「でもやっぱり小説版が1番グッときます、個人的に」
「分かる〜!!あーこんなに語り合ったの初めてで嬉しい!」
どうやら寧々さんは普段友達とこういう話はしないらしい
「皆小説とか興味なくてさ、部活も運動部の子ばかり笑だから今日小羽ちゃんと来れてよかった!」
「私も、良かったです」
気づいたらそう言っていた。でもこれも本心。
私だけの世界だったなら、今までと同じような感じだっただろうし。
「これから、どうする?」
「うーん、本屋さんで、小説欲しいです」
「いいね!行こう〜」
本屋さんに行くことになった。
「この小説気になってたんだよね〜!うわあこの作家さん新作出たんだ!欲しいー♡」
私から切り出したのに寧々さんの方がテンションが高い。
特に調べてこなかったから、気になる小説は多分ない……
と、思ってたけど
「この本…気になる…なんだろ」
表紙から惹き付けられる。1冊の小説を手に取る。
「ん?良いのあった?」
寧々さんが覗き込む。
「…知らない作家さんだなあー新人さんかな?」
私も知らない。初めて見る名前だ。
あらすじを見てみる。
“1人の主人公が、愛を見つけるまでの物語。沢山の人と出会い、沢山の人の笑顔を見る。この作品から、貴方の顔に笑顔を咲かせたい。”
……笑顔を見る、?咲かせる、?
「このあらすじだけでも、作者さんの思いが伝わるね」
寧々さんがそう呟く。
「…どういうことですか?」
「え?だってさ
“見て見ぬ人に、笑顔になって欲しい”なんて普通の人じゃ言えないよ。」
…やっとわかった。なんで私がこの作品に惹かれたのか
「私、この本買います」
「うん、そう言うと思った」
寧々さんが優しい笑顔…?でそう言った。
「私も、気になってる本2冊買っちゃう!」
本屋さんを出て、帰り道。
「今日は楽しかった〜いっぱい遊んだ〜」
寧々さんが満足そうに背伸びをして私を見る
「どう?気分転換になりましたか?」
「まあ……そうですね、なったんじゃないですか」
「良かった〜…あ、私ここで!バイバイ小羽ちゃん!」
「はい、また学校で」
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