「…」
起きると見知らぬ天井と壁や家具に囲まれていた。近くに私を皇女様と呼ぶメイド姿の女性がいる。
ここはどこですか?そう聞こうと思うと
「あうああ」
確かに言ったはずだと思い驚いて起き上がろうとすると目の前にはぷっくりとした赤子の手があった。
おかしいこれが私の手なの?驚きを隠せない。
「…お目覚めですか?皇女様」
さっきのメイド姿の女性がにこりと微笑み私に話しかける。
1週間が経った戻って欲しいという期待とは裏腹にいつまでたっても赤子のままだ。だが不思議と慣れた自分がいた。まるで前もこの部屋にいたかのように感じる。
私の名前はどうやらネリネと言うらしい。美しい名前だと思うが花言葉は
「また会う日を楽しみに」
だったと思う。赤子になぜこの名を着けたのかも気になるし、明らかに現代ではないような中世ヨーロッパ風の部屋や壁がひろがっていることも気になる。だが赤子の体だと上手く言葉を発せずどうしようもなかった。
「皇女様、ミルクですよ。」
優しい声で話しかけてくるのはエマと言う乳母らしい。
乳母にしては若すぎる気がするが、ほかのメイドにそう呼ばれていた。
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