無限城、最奥部の居住区。妖しく行灯が輝き、行灯が巨大な宮廷までの道筋を照らしているが、現在は閑散としている。
日中出歩けない鬼は、この、鳴女の作り出した生活スペースで暮らしている。その最奥部。上弦の根城。宮廷の大浴場は、壁に生えている、無数の般若の顔から、勢いよく滝のように水が噴き出している。その中で、妖しく六つ目が赤くギョロギョロと輝いた。その目には、
「壱」の刻印。無惨に次ぐ鬼の中の実力者。黒死牟。彼は、ここに近づいている強者の気配に気づいていた。
「……おちおち、風呂にも浸かれない。」
彼は自身の愛刀を携え、宮廷前に駆り出た。
宮廷前。近づいてくる強者の名は、特級術師、乙骨憂太。その眼光は、まっすぐと強大な敵が待っている、宮廷を捕らえていた。それはまさしく処刑人の目。しかし、考えていることは誰よりも臆病でもあった。
(今まで感じたことがないほど禍々しい気配……今日、死ぬかもなぁ。ま、死んだら死んだで……良くないよなぁ)
これでも彼は、現代の東京に四人しかいない特級術師に若くして名を連ねた天才呪術師の一人だ。それでも、上弦の壱、黒死牟の相手をするのは一苦労。間違いなく、深手を負うことになるだろう。だったが、さらなる問題が上空から生じた。いや、多少は幸運かもしれない。上空から2つの影がとんでもない速度で戦闘しながら降下してきた。2人は凄まじい速度で戦闘を繰り広げていた。男の一人が咆哮を上げながら、敵を退けるべく、全力で戦闘する。
「ぬおおおおおお!!」
「岩柱!」
岩柱、悲鳴嶼行冥は、真人を道中見つけ、手に持っていた生首をみて、即悪と判断し、戦闘を開始した。
「はっはあ!!楽しそうな魂の場所に落ちたなぁ!!」
「リカ、行けるよね、」
その声に応答するように指輪がギラリと輝いていた。
「もう少し待っててね」
「おい!伏黒!どうすんだよ!」
「あ?やるしかねえだろ!」
「わためもまだ戦えます!」
花御は今にも領域の印をうかべそうだが、今のうちに逃げるべきかー獪岳がいなければ、そのまま複雑に入り組んだ市街地のような空間に逃げるのだが。
「雷の呼吸!」
「領域展開!!」
「来るぞ!」
伏黒が式神の証印を展開する。
「玉犬!!」
しかしそれよりも早く、領域が完成する。
「朶頤光海!!」
花御の周りから領域が展開される。しかしー
「!!伏黒ー!」
領域の範囲内に入ったのは伏黒のみ。わためと虎杖は弾かれ、これにより構図が完成する。
虎杖・わためVS獪岳
伏黒VS花御!
無限城の廊下を、鎹鴉と共に無惨のところへ向かっていく。鬼たちを切り刻みながら、伊黒は自分たちのタスクを整理していた。
「……沙花叉とやら、お前呼吸は使えるか…?」
「呼吸…?使ったことないっすー!」
「なっ…!?」
あまりの楽観さに呆れてしまうが、むしろこのように血生臭く恐怖に満ちた空間でも、この状態を保っていられるのは賞賛に値するだろう。伊黒でも張り詰めているのだ。
「……強い…鬼ではない……未知の気配だ。」
「えー?怖いっすよー」
そんなにヘラヘラしていられる状況ではないーと、突っ込める余裕はなさそうだ。どうやら、それは上弦級の強さを持ったもの。焦げ臭い灰の匂いが、辺りを支配していた。
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沙花叉可愛い🤤ぐへへへへへ🤤