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3 - 第3話

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2024年01月25日

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スマホで少し調べたらこのアパートからほど近い場所に豆も取り扱ってる店があるっぽい。

 基本的に出歩く事をしない私はとりあえず服がない。出歩くための服がないのである。

 けど、ま、なんでもいいや精神でジーンズとTシャツ、パーカに着替えて持ち物確認。

 スマホ、よし。財布、よし。あと……本でも持ってくか。

 朝から出かけるなんて何時ぶりだろうか。何か用事でも無ければ出歩かなかったし、その用事も自ら作ることなんて無かった。

 今日は天気がいい。

 ………そういえば私はいつも下を向いて歩く癖があるな。何時からこうなのか分からないし、元からだったかもしれない。

 意識しよう。上をむく。

 首を上げれば空の青が一面に広がって、色んな音が聞こえてくる。

 小鳥のさえずり、車のエンジン音、私の足音、そして、私の呼吸。 

 それらは私の周りだけのBGMみたいだと思った。

 ゆっくりと歩き、桜通りまで来て、私は足とものくすんだピンクが目に付いた。

 少し苦笑い。また、下向いて歩いてる。癖は直ぐに治りそうにない。

 足を止め、目を瞑り、大きく息を吐く。そしてまた顔をあげる。

 私は後悔した。今までに。そして、感動した。

 満開の桜が、ズラリと並んで、そこだけ別世界の様な特別があった。

 川を跨ぐ橋の真ん中から、川を見れば両サイドを一直線にどこまでも、どこまでも続く桜並木。

 月陽は自分でも気づかない笑みを浮かべた。

 小さな幸せを感じていた。

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