国木田(それで、電話の内容は?
瑞薫(○○高校に来週、「梵天」が来る
その場の空気が重くなった
瑞薫(私達が組み込んだプログラムにまんまと掛かってくれたんだ
着信音が違うことを、梵天は知らない
情報源が変わらぬうちに、作戦は考えないと
いつもの優しい眼は、鋭い眼に
そこから感じ取れるものは、言葉では表せない程の憎悪
力任せに強く握った手
その下にあった紙がクシャッと音を立てた
紙には、「急ぐべからず」
手書きの文字があった
あからさまに紙を睨みつけ、「巫山戯るな」と呟いた
こんなにも暗い雰囲気を壊そうとする人は、人間性が無いのではないかと、疑ってしまう
だが、そんな事は気にしない人が1人、この探偵社には居た
国木田(それで、作戦は
不覚にも、「喋った?!」と思ってしまった
ずっと険しい顔をしていた瑞薫でさえも、目を見開いてポカンとしていた
寧ろ、笑みが溢れてきた
瑞薫(いや笑い過ぎて涙が出てきたよ
いいねぇいいよ国木田
面白い
何が面白いのか分からず、国木田はなんとなくありがとうございますと、言っておいた
瑞薫(否、お礼を言うのは此方の方さ
多分、誰にも聞こえない程の小さな声で、そう呟いた
______________________
瑞薫(気お取り直して
作戦はホワイトボードの通りです
梵天の姫を使って情報収集
梵天に潜入
瑞薫(最後に仲良くなってお終い
数秒の沈黙の後、その場に居た全員が、口を揃えて「は?」と言った
瑞薫(いやだから、仲良くなってお終い
敦(無理ですって!!
国木田(嗚呼、敦の言う通りだな
太宰(瑞薫ちゃん、流石にそれはね
与謝野(だったらポートマフィアとは、とっくに仲良くなっているさ
谷崎(確かに
賢治(でも、頑張れば仲良くなれそうですね
ナオミ(私もそう思いますわ
反対する人と賛成する人の声を浴びながら、仲良くする事の何がいけないのだろうかと、疑問に思っていた
乱歩(文句を言うのは、全部聞いてからにしてみたら
すかさず、助け舟を出してくれた乱歩さん
瑞薫は心の中で、感謝した
瑞薫(ありがとうございます、乱歩さん
そして瑞薫は話を続けた
瑞薫(皆さん私の異能についてご存知ですよね
私の異能は、時雨水鈴といい記憶疎通と、戦闘が出来ます
〈説明〉
記憶疎通···相手の記憶をスクリーンに映し出すことが出来る
そして、場合によっては相手の記憶を消去する事が出来る
戦闘···日本人形:髪の毛を巻き付け引きちぎる
フランス人形:精神攻撃
※軽い説明です。
場合によっては、後から付け足す事があるかもしれません
記憶疎通を使って、梵天のみんなの記憶を消去し、新しい人生を歩んでもらう。ただ道を変えるための一つの方法であって、完璧に記憶を消す訳ではない
これが瑞薫の考えである
有り得ないと思っても、やり抜くのが瑞薫だ。侮れない
敦(それだったら仲良くする必要はないのでは?
瑞薫(職を失くした彼等が生きる為には、情報がないと
自宅警備員という名のニートになってしまう
其の優しさが善意なのか悪意なのか、それは誰にも分からないことだった
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一方梵天では、近況報告の為に会議を開いていた
マイキー(透、学校はどうだ?
透(はい、順調です
笑みを浮かべてそう言う彼女の名前は透
彼女は梵天の姫らしい
ただ、彼女自身は梵天に入りたくて入った訳では無い。寧ろ梵天の皆を嫌っているくらいだ
でも彼女はそれを顔に出さない
見事なポーカーフェイスだ。
姫と言っても、みんなに護られてばかりの、お姫様では無い。首領の次に強い。だが彼女は殺しを好かない。梵天に入った時、彼女は自ら頭を地面につけて深く土下座した。「入る条件として一つ、お願いしたいことがあります」と。マイキーはそれを承諾してくれた。そういうところは素晴らしい上司と言えるだろう。
その代わりに彼女はポーカーフェイスを利用して、心理戦(情報収集)をしている
そんな彼女の今の仕事は、○○高校の生徒になることだ
本当は、彼等と同じ高校生
境遇が違えば、同じ高等学校だったかもしれない
仲良くしてくれている人達に、偽る事程辛いことは無いだろう
透「早く私を救って」
そう言う彼女の心は悲しみの気持ちで溢れかえっている
彼女の笑顔は、怖いくらいに皆に馴染んでいた
主(お久しぶりです
今日は新キャラが出てきました
遥雅 透ちゃんです
なんだか彼女には訳ありな過去があるようです
まだ詳しくは言えないげど
後々、説明して行きますね
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩「encounter」
お楽しみに
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