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大忘年会

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大忘年会

1 - 大忘年会

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2024年04月20日

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M!LK忘年会も終わりをむかえ、明日朝早く実家に帰省予定の太智、柔太朗、舜太の3人を先に帰し、実家が東京で帰省する予定もない俺は勇斗の家の片付けを手伝うことになったのだが…

「勇斗、片付け手伝えや」

当の家主の佐野勇斗は、俺の腰の腕を回しべったりくっついて後ろをついて来るだけ

たまに家主として片づける場所の指示を出すなどそれくらいしかしていない。

「佐野さんほんと邪魔です。手伝わねぇなら離れて座っててくんね?」

「・・・」

完全なる無視。

佐野さんが機嫌をそこねた理由はなんとなくわかってるがこれに関しては 運としか言いようがないので困っている。

好きにさせとけば機嫌も直るかと片づけを優先させ早く終わらせることに努める。

片づけも終わり、日付も0時を回っているし帰り支度を始めようとしたら

ソファーに座らされ、足の間の床に座り込んだ勇斗が腹に顔を埋めるように抱き着いて来る。

普段、人の距離感に文句を垂れてくる勇斗だが基本的にプライベートで距離感がバグっているのは勇斗のほうだ。

「勇斗、俺帰るよ」

「………」

また無視である。帰らしてくれる気配もない。

これは俺が悪くなくても謝っておくべきなのだろうか。

「勇斗、悪かったよ。プレゼント交換したかったよな」

「…ちげーよ」

「え?」

なんだと?くじ引きで自分の名前引いてプレゼント交換参加できなくて拗ねてたわけじゃねーの?

謝り損じゃねぇか。

「じゃ、なにをそんなに拗ねてんだよ」

「…わかんねぇーの?」

腹に埋めていた顔を上げ、上目遣いで聞いてくるがわかんねぇよ。

「わっかんないね。勇斗くんはなにをそんなに拗ねてるんですか」

「…舜太と相思相愛って言われて喜んでた」

「は?いや、あれはお前が」

「そうだよ。俺が言ったよ?太智と柔、舜太と仁人相思相愛だって。でも、あそこまで喜ばんでもよくね」

自分が言った発言の俺の反応に拗ねていたとはとんだめんどくさい男だ。

それにコーヒーセットを当てれたことを喜んだわけであって、相思相愛を喜んだわけではないしな。

「あ、だから、あん時俺が喜ぶのうざいとか言ったわけか」

「…うざいなんて言いましたっけ?」

覚えているけど、あまりにも自分の拗ね方が子供じみていたのであろう。

とぼけながらまた腹に顔を埋めてくる。

「言ってましたね。なんなら太智くんが『うざいってか面白いよね』ってフォロー入れてたくらいですよ」

「ふーん」

本当にカメラ前だと決して素直にならないこの男がプライベート、いや、俺の前だとこんなんになってしまうことを 俺だけが知っている優越感にくふふと笑みがこぼれる。

笑っているのを腹の振動で気づいたのか勇斗が頭を上げ訝し気な顔で見つめてくるので頭をポンポンと撫で

「勇斗、そこのセーター取れよ」

勇斗がプレゼントにしようとしていた俺に似合うと思っていたセーターを受け取り、頭からかぶり着せて見せる。

「えー、いいじゃん。これ。いやーいいねー。ありがとね」

「なんで貰う気でいんだよ」

「え?くれないの?似合ってない?」

「…にあってる」

「え?」

聞こえてるがわざとらしく聞き返してみる。

「似合ってから!もう、好きにしろよ」

「ははははは」

また、腹に頭を埋めてくる佐野さんの頭を撫でながら盛大に笑ってやる。

佐野勇斗って可愛いやつなんです!



END

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コメント

2

ユーザー

カーテン、ピンキーリングに続き 今回の大忘年会は本当に素敵なストーリーです💛🩷 佐野さんのセーターを着た仁人くんがメチャクチャ好きな私は。 今回もニヤニヤしながら拝見させていただきました。 本当に毎回癒やしをありがとうございます😊

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