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#おんりー
るま。
67
#ドズル社
雪#雪だるま❄️☃️
938
なななす
1,157
🖤月影紫音🌙
348
4話、スタート▶️
キーンコーンカーンコーン――。
放課後を告げるチャイムが学校中に響き渡る。
「よーし! 今日はこれからドズル社チャンネルの動画撮影だぞー!」
「うっしゃ! 今日の企画、めっちゃ楽しみだったんだよね!」
ドズルが大きな声を張り上げ、MENやぼんじゅうる、おんりーが賑やかにカバンをまとめ始める。
おらふくんはカバンを肩にかけ、心配そうに琥珀の席へ歩み寄ってきた。
「琥珀、本当に今日は一緒に帰れないの……? 撮影、少し遅らせてもらおうか?」
琥珀は胸が締め付けられるのを押し殺し、必死に満面の笑みを作った。
「う、うん! 大丈夫だよおらふくん! 今日は先生に頼まれた日直のお仕事があるから……! だから、みんなで撮影がんばってね!」
「……そっか。無理しないでね。何かあったら、すぐに連絡するんだよ?」
おらふくんは琥珀の頭を優しくぽんぽんと撫でると、名残惜しそうに教室をあとにした。
誰もいなくなった教室。ドズル社のみんなの笑い声が遠ざかっていくのを聞きながら、琥珀はポケットの中の手紙を強く握りしめた。
――放課後、体育館裏。
冷たい夕風が吹き抜ける体育館の裏手に、琥珀がおずおずと足を踏み入れる。そこには、昼間の女子生徒たちが腕を組んで待っていた。
「へえ、逃げずにちゃんと来たんだ。えらいじゃん」
「ひっ……っ」
中心に立つ女子が冷ややかな笑みを浮かべ、琥珀の肩を強く突いた。ドサッと音を立てて、琥珀は冷たいコンクリートの上に倒れ込んでしまう。
「痛っ……」
「なーにがおらふくんと幼馴染よ。おらふくんが優しいからって調子に乗らないでくれる?」
「そうだよ、あんたみたいなドジで暗いヤツ、ドズル社学園に似合わないの!」
嘲笑とともに、上から容赦なく冷たい水が入ったバケツが浴びせられた。
バシャッ!!
「きゃああっ!?」
頭から水をかぶり、水色の綺麗な髪も、制服も、ビショビショに濡れていく。猫耳が水滴の重みで力なく垂れ下がり、全身がガタガタと恐怖と寒さで震えた。
「あはは! ウケる! 濡れネコみたい!」
「中学でもいじめられてたんでしょ? 居場所なんてどこにもないんだよ、あんたには!」
酷い言葉のナイフが、容赦なく琥珀の心を切り刻む。
助けを呼ぼうとしても、声が出ない。ドズル社のみんなは今頃、楽しく撮影をしているはずだ。おらふくんは体が弱くて、命だって長くはないのに、こんなことで迷惑をかけるわけにはいかない。
(誰も……来ないよ……)
冷たい水と恐怖に耐えながら、琥珀は小さく丸まり、地面を見つめてただ涙をこぼすことしかできなかった。
(おらふくん……助けて……なんて、言えるわけないよね……っ)
ドズル社メンバーが撮影に向かってしまった静かな校舎の裏で、琥珀のすすり泣く声だけが、虚しく夕空に消えていった。
冷たい秋風が吹き抜ける帰り道。
濡れた制服が肌に貼り付き、歩くたびにポタリ、ポタリと水滴が地面に落ちる。水色の猫耳は力なく垂れ下がり、琥珀は誰にも見つからないよう、ひっそりと下校道を歩いていた。
(寒くて……体が震えちゃう……っ)
家にたどり着くと、鍵を開けて静かな玄関に滑り込んだ。家族はまだ帰っていない。暗い廊下を通って自分の部屋へ向かい、バタンとドアを閉めた。
「うぅ……っ……うっ……」
温かい部屋に入った瞬間、張りつめていた糸が切れ、琥珀はその場にへたり込んだ。膝を抱え込み、濡れた袖で溢れ出る涙を拭う。
(なんで……っ。また私、何も変われてない……。おらふくんに心配かけたくないのに……っ)
痛む肩と、冷え切った体。鏡に映る自分は、濡れネコみたいで本当に惨めだった。
そのとき――。
ピコン、と机の上のスマホが小さく揺れた。
画面を覗くと、ドズル社のグループLINEではなく、おらふくんからの**個人メッセージ**が入っていた。
『琥珀、日直のお仕事終わった? 今日の撮影、無事に終わったよ!』
『本当は琥珀と一緒に帰りたかったな。明日、学校でまたたくさん話そうね。おやすみ!』
語尾に添えられた可愛い絵文字。自分の命のことなんて一つも感じさせない、いつもの優しくてあたたかい言葉。
「おらふくん……っ」
スマホの画面を抱きしめ、琥珀は再び涙をこぼした。
自分なんかのために、こんなに優しくしてくれるおらふくん。
あんなに体が弱くて、残された時間も少ないのに、自分を気遣ってくれるおらふくん。
(おらふくんの笑顔を、私が奪っちゃダメだ……。絶対、耐えなきゃ……)
琥珀は必死に涙を拭うと、震える手で『お仕事おつかれさま! 明日もよろしくね!』と嘘の返信を送り、お風呂場へと向かうのだった。
だが、この時の琥珀はまだ知らなかった。
おらふくんが琥珀の「異変」に、本当はとっくに気づいていたということを――。
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