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🖤視点
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ベッドの横に椅子を置いて
俺はそこに座って、ベッドで眠る佐久間くんを眺めていた
寝返りを打ち度にジャラジャラとなる鎖
オーバーサイズのTシャツだけ身に纏っているから、見えそうで見えないギリギリにドキリとする
「…ん…」
眠りが浅くなったのか
小さな声を上げて、何度か瞬きを繰り返す
地下なので日の光など届かない
灯る間接照明でぼんやりと浮かんでいるだろう俺の姿に、佐久間くんは飛び起きた
「へ?え?」
自分の姿を見て、俺を見て、また自分の姿を見る
履いていたパンツも下着も脱がされて、左足首には足枷まであるのだから驚いて当然だ
ただ意外に静かだった
大声をあげるでもなく、足枷に繋がった鎖がどこまであるのか、視線が向こうの部屋まで彷徨う
脳が今の状況を理解した時、佐久間くんはどうするのかな
責めるかな?
罵るかな?
殴りかかってくるのかな?
自分で仕出かした事が今更、怖くなる
嫌われたら…どうしよう…
自分を見下ろす冷たい目を想像して震えた
けど、どれも違っていた
「…えっと…これ、どういう?えー…説明して」
佐久間くんは冷静に説明を求めた
肝が据わっているというかなんと言うか
ベッドの上で胡座をかいて
けれど、こちらを見るその目は鋭い
Jr.時代を思い出して、少し懐かしい気持ちになった
「…説明…」
どう説明したら良いんだろう
「てか、ここ、どこ?」
「家の地下室だよ。佐久間くんを閉じ込めたくて造ったんだ」
ちゃんと伝わるかな
「…は?」
「佐久間くんを、閉じ込めるためだけに造ったんだよ」
「な、んで…そんな…」
「佐久間くんが好きだから」
好きなんだよ
誰にも触れて欲しくない
触れさせない
見せたくない
誰にも
全部が自分だけなら良いと思う程に
好きなんだ
狂ってるでしょ?
分かってる
「ごめん」
自分勝手な愛情を押し付けて
「ごめんなさい」
ボロボロと涙が込み上げてきて止まらなくなった
俺はなんて自分勝手なんだろう
そんな俺を、何でか佐久間くんは抱き締めてくれた
「バカだね、お前」
子供をあやすような声色で呟いて、背中を撫でてくれる
その手の優しさに、俺は縋るように泣き続けた
あなたがこんなにも愛おしいんです
「あのさ、お前の気が済むまで付き合っても良いけど…1つ、お願いがあるんだ」
佐久間くんがそんな事を言い出したのは、俺の涙が止まって暫くのこと
泣きすぎて目が重い
国宝的イケメンが台無しだな
なんて笑って
俺の頬を優しく撫でる
自分が置かれている状況を、本当に理解しているんだろうか
この人は………
どんな状況でも佐久間くんは佐久間くんらしさを失わず、堂々としているんだな
「…何?」
そんな佐久間くんとは対照的に
犯罪者の俺の声は泣きすぎて掠れ、情けない
「俺んち行って、ツナとシャチを連れてきて」
お願いします、と佐久間くんは頭を下げた
「あの子たちはさ、人間の勝手で保護されたんだ。だから、絶対幸せにしようって引き取った。俺に捨てられたんだって思われたくない」
沢山の投稿から大事にしていたのは知っていたのに、その小さな存在を俺は忘れていた
閉じ込められた部屋の中
世話もする者もなく、いつまで生きられるんだろう?
「分かった」
俺の勝手で閉じ込める
この人の願いを、少しでも叶えたいと思った
そしてこの選択が
思わぬ方向へと展開していく事となる
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コメント
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ツナシャチと🖤🩷の共同生活気になります…!