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“兄の秘密”
山下弘は小さな村に住んでいた。
彼には兄がいて、その兄・光太郎は村の皆から愛されていた。
光太郎は村の祭りではいつも中心人物で、村の人々からは賞賛の声が上がり、彼が困っている村人を手助けする姿もよく見かけられた。
しかし、光太郎には山下弘だけが知る秘密があった。
光太郎は毎晩、自宅から出て行き、決まって午前二時に帰宅してくるのだ。
ある日、弘は兄が毎晩どこへ行っているのかを知りたくなった。
そこで、弘は自分の部屋から兄を見守り、兄が家を出た瞬間を確認した。そして、弘はその後をつけていった。
しかし、弘が兄を見失ったのは、森の中だった。
光太郎はいつの間にか姿を消し、周りは静寂に包まれていた。
弘は戸惑いながらも、兄がいつも午前二時に帰宅することを思い出し、それまで森で待つことにした。
それから数時間後、弘は辺りが明るくなるのを見つけた。
そして、光源の方向へと向かっていくと、そこには大きな洞窟があり、その中から光が差し込んでいた。
弘は洞窟に近づき、中を覗き込んだ。
その瞬間、弘の心は恐怖で凍りついた。
洞窟の中には、村で行方不明になっていた人々が、一つの大きな洞窟の中に無理やり押し込められていた。
それぞれの身体からは血が流れており、全ての顔は恐怖に歪んでいた。
そして、その中心に立っていたのは、光太郎だった。彼の手には血まみれのナイフが握られていた。
そして、光太郎は弘の方を向き、にっこりと微笑んで見せた。
「ああ、弘。君も見に来たのか。私のコレクションを見にね。ここは私の秘密の場所なんだ。」
「でも、今は君も知ってしまったわけだから、秘密じゃなくなったね。」
その日以来、山下弘の人生は変わりました。
兄が毎晩外出し、午前二時に帰宅するその理由、そして兄が皆から愛されている理由。
全てが彼にとっては恐怖そのものでした。
毎晩、兄が外出する時間が近づくと、弘の体は震え、恐怖で眠ることができませんでした。
そして、午前二時になると、兄が帰宅する音が聞こえ、それが一晩の恐怖が終わる合図となりました。
しかし、その恐怖は次の日の夜までしか続かず、再び兄が外出する時間が近づくと、弘の体は再び震え始めました。