テラーノベル
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sy「おはよ」
ci「……おはよ」
教室に入るなり女子からの目線がショッピに一気に集まる
今日も遅刻ギリギリに来たショッピはいつもと変わらない態度で接してくれた
昨夜の出来事は本当に一晩だけで終わってしまったのだ
ショッピの顔には隈ができていてどことなく顔色も悪いような気がした
ci「昨日ほんまごめん。眠いやろ?」
sy「…まあ、1時間寝れば治るわ。お前国語得意やろ?後でノート写させてや」
ci「ぁ、うん…」
昨日の出来事でほんの少しだけ距離は縮んだ感じがした
sy「お前も今日ちゃんと寝ろよ」
頬をぺちっと叩かれる
眠ろうとしていた頭が覚めてしまった
今日は金曜日だ、あと何時間か睡魔にうち勝てばあとは幾らでも寝られるのだ
ci「昨日何時間睡眠だった?」
sy「3、4時間くらいちゃうか?夜更かししたにしてはよう寝れたわ」
ci「ほんなら良かったわ…」
HRが始まる前に一眠りしようと思って机に突っ伏すと俺とショッピが話終わるのを待ち構えていたであろう女子がショッピを囲む
話に介入する気は無いので耳を塞いで眠りについた
薄れた意識の中でも残る女子達の声が夢と現実の狭間で聞こえてうざったくて仕方ない
ようやく夢の中に入れたかと思うと朝のチャイムがなって目が覚めてしまった
仕方なく顔を上げるとこちらを見ていたショッピが頬杖をついてふふっと笑った
sy「寝られへんかったやろ、HRで寝たらあいつに怒られんで」
ci「…分かっとるわ」
sy「んふふ」
…
1時間目から体育で今回の体育は出席しないと単位を落とす恐れがあったので仕方なく出ることにした
ci「ほんま、今年の体育サボりすぎたわ……」
sy「単位落とさんからって調子乗りすぎたな、ギリギリまでサボるつもりは無かったのに」
ロッカールームに行って愚痴りながら渋々着替えると、隣で着替えていたショッピの腹筋が見えた
そういえば結構前から筋トレをしていたと聞いたような聞いていないような、細身ながらも見事に割れた腹筋は羨ましかった
sy「…なに、俺の腹筋気になるん?」
少し横目で見ていたはずなのにショッピに気付かれていたらしく、もっと見ろよと言わんばかりにシャツを脱いで俺に見せつけてきた
ci「お前細いのにムキムキとかずるいわぁ」
sy「チーノのお腹はぽよんぽよんやもんな」
そう言って腹の肉を摘まれるとなんだか恥ずかしくなってショッピの頭を軽く打った
ci「ちゃ、ちゃうし…!少し肉が出とるだけやん!俺だって痩せてる方やし……」
sy「今のままが一番かわええよ」
ci「……やめて、」
心臓に触れられたような、そんな感覚が全身を駆け巡って変な気分。
sy「…お前ほんまわかりやすいわ、仕草で感情読み取れるっつーか。」
ci「うるさい……ショッピは感情読めなさすぎなんだよ」
多分こいつはアニメのキャラでよくいるデータキャラでハイスペ、ノンデリ、無口イケメン
カッコよくてクールなのでノンデリのところも含めてファンが多いそんなやつなんだろう
sy「時間やば、はよ行こ」
ci「ちょ、待てって…!」
肌を露出させるのは嫌いなのかジャージを着てジッパーを首元までしっかり閉めている
ci「お前腹筋あるんやし、別に体型隠すことないやろ脱がへんの?」
sy「…いや、俺女子からそういう目で見られるの好きちゃうねん」
ジッパーを左手でいじりながらそういう
ci「あーそ、俺だったら見せびらかしてるのに」
sy「チーノにやったら幾らでも見せたるで?」
ci「もうお前の腹筋なんて見とうないわ!」
何気ないこういうやり取りが心をくすぐるようで楽しかった
「ショッピ、パス!」
無言でボールを受け取ると軽々しくバスケットゴールにシュートを決めた
「ね、やっぱショッピ君かっこいいよね!」
「だって、みたぁ?あの腹筋!!もうかっこよすぎて惚れちゃうってば…!!」
「ほんとにっ!もう、告っちゃおっかなぁ」
コートの外で見ていた女子が体育服で汗を拭うショッピを見てきゃあきゃあ言っているのが聞こえた
俺はコートの内でボールが回ってこないように、でも競技にはしっかり参加していますよという素振りを見せながら何となく過ごしていた
女子と関わるのが嫌そうなショッピは相変わらず女子には目もくれずでも嫌な顔をしているのはひしひしと伝わった
1試合が終わり男子は休憩、次に女子がコートに入る番になるとすぐにショッピの隣に座ったショッピは相変わらずムッとした顔をしている
ci「さっきの女子の会話、そんな嫌やった?」
sy「嫌や…俺に関わるなって言ったって影でコソコソ言われるのも嫌や」
ci「ショッピがもう少し不細工だったらそんなことに悩む必要も無かったのにな」
sy「…お前も、可愛い顔しとるのになんであんな言われへんの、ずるい」
水筒を空にしてからじっとこっちを見てなんの起伏もなくそんなことを言う
ci「な、なんやねんそれ!可愛くないわ…」
sy「んふふ、やっぱお前おもろいから機嫌治った」
ci「……だから、なんなんだよ…ほんとに…」
あまり動いてないはずなのに徐々に熱を持ち始める頬がいやだった
sy「…今日、夜暇やろ」
ci「暇やけど」
sy「夜中公園な、明日休みやしええやろ」
ci「うん…わかった…」
昨晩、自分から夜だけ恋人だとか、そんな自分勝手な発言のせいで夜に二人集まるという行為が頭の中で厭らしく変換される
sy「なに、体調悪いん」
ci「んーん、全然ちゃう」
ぎこちない返事をする俺を見て心配するが、遠慮気味に否定するとふぅん、と目線を地面に落とした
sy「……お前暑くないん、」
ci「あんまり動いてないし、全然」
sy「俺暑いんやけど、なあ少し外出ようや」
ci「おれもちょうど水飲みたかった」
2人でこっそり体育館を抜け出すと、シューズのまま水道がある体育館横まで来た
sy「あぁー、涼しい…」
汗をかいてない俺は南から吹く風を肌で感じると少し寒い気がした
キュッと水道を緩めて蛇口から水を飲む
相変わらずショッピは猫のように風を感じている
ci「寒ないん」
sy「いや、むしろ涼しいやろ、授業終わるまで暇やしここおろっかな」
そう言ってゆっくり腰を下ろすと、完全にサボるモードに入ってしまう
ci「また怒られんで、それでもいいなら俺も付き合う」
sy「じゃあ2人まとめて説教やな」
悪い事をする時のショッピの顔が一番生き生きしていた
ci「親呼び出されるわぁ、また怒られてまう」
sy「ええやん、お前ん家あんまお前に干渉してこーへんから」
ci「こういうとこだけ真面目やねん、必要最低限のコミュニケーションしかしてないのに…」
俺の家は父と母が離婚してから俺はそのまま母の家に残ることになった
元から他人に干渉してこない大人しい人だったが、父親と別れるとご飯だけ作ってどこかに出掛けてしまうようなそんな母親になっていた
授業参観にも来なければ、家庭訪問や三者面談にもまともに出ないだらしない母だ
そのくせショッピの家のおばさんとは同じ学校の同級生で仲がいいらしく、母親の機嫌がいい時にはショッピの家に遊びに行くことが何度かあった
sy「まあ、あそこまでいくとこっちも恥ずかしくなるよな…」
ci「ショッピのオカンは優しいよな」
sy「まあ、お前ん家よりかは遥かに」
ci「俺が見捨てられたら養ってな?」
sy「当たり前や、いつでも待ってるから」
悪い冗談で言ったつもりだが、本当に歓迎してくれるみたいな笑顔を向けられてはこちらも反応に困ってしまう
ci「まぁ、そんときはな?」
sy「……うん、そんときはね。」
虚ろに目を伏せるとちょうど授業終了のチャイムが鳴った
ci「こっそり入っていったらバレへんかな」
sy「まぁ、とりあえず行ってみるか」
ショッピを先頭に体育館へ戻ると後片付けをしていて幸いにも女子の視線や先生の視線は俺たちに気づいていないようだった
ci「バレてへん…!」
sy「よかったわ、チーノも呼び出し喰らわんで済むな」
ci「ホンマに良かったわぁ」
体育館から出ていく大衆に自然に混ざると、そのままロッカールームに行って着替えることが出来た
sy「俺ら忍者になれるかもな」
ci「んな、隠れ身の術使えちゃうかも」
そんな馬鹿らしい会話でにしし、と笑って一日が終わろうとしていた
いんまさん書いてる途中です❗
コメント
5件
純愛だぁぁぁ!!!!!!尊い!ありがとうございます!!!!!続き楽しみに待ってます 、!
好きすぎる…
うぐ…可愛い、いやーさ?もうさ、syp君ciくんに優しすぎるのなんなん?、死ぬってぇ。こんな神作品かけるの尊敬!