黄side
ぷりちゃんと別れてからも騒がしい会話が続く。そんなときにドンッとけちちが誰かに当たってしまった。
桃「っ…!すいませんっ…!」
当たってしまったのは二十代後半に見える体格のいい男性だった。
?「チッ、前見て歩けよ!」
紫「謝ってるんだからいいじゃないですか。」
?「あぁ?なんだお前ひょろひょろしてるくせに、俺に楯つこうってか?」
紫「そこまで言う必要性はないと言ってるんです。」
?「てめぇさっきからうるせぇよ!」
そういってまぜちに手を出そうとする。
黄「危ないっ!」
緑「あーあ、まだそうやってしか相手を従わせられないんやなぁ。成長しとるかなって思ったんに。」
そうまだ数日しか聴いていない声がした。
黄「ぷりちゃんっ!」
なぜここにいるかは分からないけど、安心した。
緑「まぜ太も何も言わんでええやん。」
そうぷりちゃんは笑顔でまぜちに言った。
紫「っ…悪ぃ。」
緑「別にええけど…。」
?「お前誰だよ、」
緑「あれ、覚えてないんや。まぁ、そうよな。加害者ってのはいつでも覚えてへんもんなぁ。」
ぷりちゃんは笑いながら言う。だけど、その顔には憎しみ、辛さなんかの感情も含まれているように見えた。
?「っ…!お前まさかっ…」
緑「思い出してもうたんか。思い出さんほうが幸せやったんかもしれへんけど、」
?「ははっ笑 来いよっ!あの女と一緒の状態にしてやる。」
緑「ええで、行こか。慧(けい)さん。」
慧…?という人は笑顔だった。まるで弱い虫を潰すかのようにぷりちゃんを見下ろしている。
慧「はは笑 随分生意気になったな。だけど、その威勢はどこまでいけるかな、」
黄「ちょ…!ちょっと待ってよ…!ぷりちゃん、誰なのその人…、」
緑「…みんなには関係あらへんよ、ほら気をつけて帰り、?けちゃお、今度はぶつかんなよ〜、」
ぷりちゃんはこっちを見ないで話す。その声はどこか寂しさを生んでいた。
赤「…そんなわけにもいかないんだよな〜。」
緑「…は、?」
赤「だって、友達じゃん。ほっとけねぇよ。」
緑「そんな理由で来んじゃねぇよっ…。第一に俺とお前らは違うねや…。」
その言葉を聞いたとき、なにかが蘇ってきた。あ、これ、どこかでも聞いたことある。遠い昔、ある一人の男の子と親友だった頃…
ー俺と君は違うねや。
…そっか。あれ、ぷりちゃんだったんだ。
黄「…そうやって皆を遠ざけてきたんでしょ。」
俺が言った途端、ぷりちゃんは俺らのほうを向いた。
黄「…昔もそうだったよねぇ。ぷりちゃん。小学生のときもクラスで問題が起きたときに責められるのはいつもぷりちゃんでさ、」
緑「あっきぃ…なんで、」
そう言うぷりちゃんの言葉をまた遮る。
黄「その時になんでぷりちゃんは言い返さないの、って俺が責めたときも、俺と君は違うって言ってさ。」
緑「違うっ…!あっきいは俺を心配してっ…」
黄「それでもああいう言い方をするのは間違ってたよ。」
ぷりちゃんは幼い子供が怒られたときのように顔を歪め、拳を握った。
緑「っ…、だって…、俺はっ、こうすることしかできないからっ、どうしたらええか分からへんからっ、それでも皆が巻き込まれんようにって、してきたつもりやったんに…、」
ぷりちゃんは諦めたような笑顔の表情をして、
緑「…もう俺はどうしたらええか分からん。」
そういって慧という人のところへ行ってしまった。
黄「ちょっ!まだ話はっ!」
皆が俺を止めた。皆、悔しそうな顔をしてて、
「いまの俺らじゃなにもできない。」
ということを思い知らされた。
俺も諦めて帰ることにした。今度はぷりちゃんを助けるために。
コメント
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まじで好きです🙌🏻 続き楽しみにしてます😉😉😉