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kaede🍁
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篝火

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NIKITA
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コメント
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新作を読み改めて読み返してます、ゆっくりと読み返すと何処までもお互いの絆と愛情の深さを感じてます、そして💕を押す手が止まらない
ああ、もうこの回良すぎた……(涙) 外見が変わっても「癖」で本人って気づくめめ、最高すぎるでしょ。 「おいで」って両腕広げるところで完全に持ってかれたわ。姿が変わっても好きだって言い切るの、マジで理想の恋人。 阿部ちゃんがやっと泣けて、もう一人じゃないって思えたシーン、こっちも一緒に泣いた。 みらさん、尊い作品ありがとうございます……!続きが気になりすぎる🔥
玄関の前は静まり返っていた。
インターホンはもう鳴らない。
ドアの向こうにいるはずのめめも、何も言わない。
それでも、気配だけは感じる。
帰っていない。
待っていてくれている。
阿部は壁にもたれたまま、震える息を吐いた。
(めめは……合鍵を持ってる。)
付き合い始めて一年。
お互い忙しい仕事だからと、もしものために渡した合鍵。
本気で心配しているなら、きっと使ってもおかしくない。
それなのに、ドアが開く気配は一度もなかった。
「……待って、くれてるんだ。」
自分が開けるまで。
自分が決めるまで。
めめは、その一歩を踏み越えようとはしなかった。
その優しさが、胸に痛いほど染みる。
阿部は涙を拭うと、ゆっくり立ち上がった。
震える手でドアノブを握る。
深呼吸を一つ。
カチャリ、と鍵を回した。
ゆっくりとドアが開く。
「……あべちゃん。」
目の前には、数日ぶりに見る恋人の姿。
目黒は少し安心表情で立っていた。
目が合う。
ほんの一瞬。
時間が止まったようだった。
阿部は何も言えず、ただ俯く。
「……ごめん。」
かすれた声で、それだけを絞り出した。
目黒は驚いたように目を見開いたまま、阿部をじっと見つめる。
長い髪。
華奢な身体。
見知らぬ少女の姿。
普通なら、知らない人だと思うはずだった。
けれど目黒は一歩近づくと、小さく息を吐いた。
「……あべちゃん、だ。」
その一言に、阿部の肩がびくりと震えた。
「え……。」
「その癖。」
目黒は困ったように笑う。
「謝るとき、右手をぎゅっと握る。」
阿部は反射的に自分の右手を見る。
無意識に拳を握り締めていた。
「あと、怖いときは人の目を見られない。」
阿部はゆっくり顔を上げる。
目黒の瞳には驚きこそあったが、恐れも戸惑いもなかった。
ただ、心配そうな優しい色だけが浮かんでいる。
「電話に出なかったのも、返信が短かったのも……何か理由があるって思ってた。」
目黒はもう一歩だけ近づいた。
「でも、まさかこんなことになってるなんて。」
阿部の目から涙があふれる。
「……怖かった。」
声が震える。
「誰にも言えなくて……。」
「うん。」
「みんなに迷惑かけて……。」
「うん。」
「めめにも……。」
それ以上は言葉にならなかった。
目黒はゆっくり両腕を広げる。
「おいで。」
阿部は首を横に振った。
「……でも、俺……。」
「女の子になっちゃった。」
その言葉に、目黒は少しだけ眉を下げて笑う。
「見れば分かる。」
「じゃあ……。」
「それでも。」
目黒は迷いなく答えた。
「俺の前にいるのは、あべちゃんだよ。」
「姿が変わっても、声が変わっても、俺が好きになった中身まで変わるわけじゃない。」
「だから、一人で抱え込まなくていい。」
その言葉を聞いた瞬間、阿部の張り詰めていた糸が切れた。
「……めめっ。」
泣きじゃくりながら目黒の胸へ飛び込む。
目黒はその小さな身体をしっかりと抱きしめた。
「おかえり。」
その声を聞いた阿部は、何日ぶりかも分からないほど久しぶりに、「もう一人じゃない」と思うことができた。