テラーノベル
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「けんと〜」
「はい なんすか?」
いい大人になって 初めてのデートとか 恥ずかしすぎて『出かける』と言って誘った あの日から かなり時間が経過した
お互いなかなかタイミングが合わず やっとできた時間
健人と2人で買い物をして お昼も済ませ なんとなく手持ちぶさたになっていた
「早めに帰るんだよな?」
「そうっすね 夕方には帰らないとなんで」
健人は クラブチームに戻らないといけないんだっけ 微妙な時間だしなぁ…
どうしようか 考えていると
「あの…俺 行ってみたいとこ あるんですけど」
「え?マジ? 早く言えよ」
なんだ 遠慮してたのか?
「小川さんの……部屋」
「…………え?」
「ごめんなさい 急に 無理っすよね」
目をそらして 髪をわしゃわしゃして 謝る
「いや………」
まさかの 俺の部屋
部屋……って ふたりきりになるってことだよな?
それって…
いや 俺 何期待してんの?
何もない!健人は何もしない!
「散らかってても 良かったら…いいけど」
「ホントに!?あ あざす!!」
あんまり表情変えないけんとが 嬉しそ……
なんか 恥ずかしいような…嬉しいような…
「とりあえず コンビニ 寄ってこ?」
「はい!」
部屋に 健人がくる
ただ それだけなのに ドキドキしてるとか ないよなぁ…
「どうぞ 入って」
「お邪魔します」
コンビニから うちに着くまで 急にふたりで黙ってしまい ちょっと気まずい
智さんが 初めてうちに来た時は 何にも考えなかったのにな…
好きな人が来るって こんなに特別なんだ
「1人暮らしだから 何にもないし つまんないっしょ?」
「いや 部屋に入れてもらえただけで 嬉しいっす」
コンビニで 適当に買った飲み物やお菓子をテーブルに広げる
「ソファ 座っていいよ」
「あ はい 失礼します」
ふたりで緊張してて じっとするのも何だから とりあえず飲み物を手にする
「なんか 静かだと落ち着かないから テレビつけていい?」
「はい あの…いつもの感じでいいっすよ 俺 気にしないんで 」
「うん……さんきゅ…」
はずっ……俺のほうがテンパってるじゃん
「となり……座っていい?」
「はい 俺でかいから 下に座りますよ」
「ダメ……となりに いてよ」
「は はい…」
なんとなく さっき コンビニで見つけた期間限定のお菓子を手にして 会話をする
「俺 こういうやつ 手をだすか悩むタイプ 健人は?」
「俺 結構チャレンジするっすよ そんで わりとハマる」
「マジかぁ〜 辛い系?ヤバイ系の味とか?」
そんなどうでもいい話をしていると スマホが鳴っていることに気がつく
「あ ごめん 智さんだ 出てもいい?」
「大丈夫っす なんなら 俺いない方が良ければ…」
「いいよ 智さん 健人といるの知ってるから」
Haru
423
かるび🍖
348
だからこそ どうしたんだろ?
ん?カメラ通話?
確か 今日は藍と…
例の『約束の日』だって言ってたんだ
バカ藍が 何かやらかしたか?
「もしもし 智さん どした?」
「ちわ 小川さん」
カメラに映ったのは 上裸の藍
「なにやってんだよ これ 智さんのスマホだろ?」
なんでお前が持ってんの?
「小川さんに 智さんから話があるんで……」
そういって カメラが移動すると そこには 目を疑う光景が映った
全裸で 手首に装具をつけられた智さんが ベッドに繋がれている
「と……ともさん?」
カメラが智さんに近づく
身体中に 藍がつけた赤い跡がくっきりうつる
そして……
泣いている智さんの顔
「小川さん 智さんとセックスしたんでしょ?」
「は?お前 なにいってんだよ」
いきなり なんだ?
「智さんが 教えてくれたんです したことあるって」
「いや お前 何を誤解してんの?俺と智さんは……」
「好きとかどうかなんて 関係ないんですよ 俺の智さんの身体を知ってるやつには 智さんに言ってもらうことにしたんです」
カメラを智さんの顔に近づける
「はい さっき 練習したこと 言ってください」
「らん……」
泣きながら 視線は藍を見てる
「俺の言うこと 聞けますよね?」
「お前 いい加減にしろよ!何させてんだ!!」
怒りに任せて 声を荒げる
「……わかった… 言う…」
カメラに智さんの目があう
智さんが 怖がってる
あんな姿にされて 藍から何かを強要されている
「ごめん らん……おれ……とも……とは…」
智さん 涙声になってるし
もう やめろよ!バカ藍!
「せっ……くす……しないから…」
声が震えていて 聞いていられない
「藍!!お前ふざけんな!」
「俺は ちゃんと智さんに謝って欲しかっただけっす 」
どこまでバカなんだ
こいつ………
「智さんは お前のこと支えてやりたいから だから 何されても受けてやろうと思うって 自分のできる限り 約束を叶えてやりたいって言って お前のところに行ったんだぞ?
それが お前のやり方かよ!?」
「もう 智さんは小川さんのじゃない! 俺のものです!」
「バカ!いい加減にしろ!」
ピロン……
電話は 虚しく切れた
「なんで…あんなひどいこと…恋人にできんだよ…」
怒りと智さんの怯えた姿に 涙が出てくる
「小川さん」
「けんと……」
胸にすがると 優しい腕が身体を包んでくれて あやすように 髪を優しく撫でてくれる
健人の温かい体温に 涙と嗚咽が止まらない
智さん……
しばらくして 俺が落ち着いたのを見て 健人は腕を緩める
「智さんは 大丈夫ですよ」
「なんで?智さん 泣いてたじゃん…大丈夫なわけ……」
「ハンドサインで 大丈夫って してましたよ」
え?そんなこと 気づかなかった
「きっと 小川さんのこと 心配だったんですね あんな状態なのに…さすがというか…」
少し間を置いて
「……嫉妬しました」
「お お前までそんなこと!」
「はは 安心してください
智さんから 小川さんのこと を頼まれてますから」
柔らかい微笑みで 大きな手が涙をぬぐう
「なんだよ それ…」
「智さん 俺が小川さんのこと好きだって言ってる時 ずっと応援してくれてたんです
『智は素直じゃないけど 宮浦のこと 好きだよ』って」
だから 待ってやって欲しい
小川さんと智さんの関係も 正直に話してくれた
びっくりしたけど お互いに支えあった関係で築かれたのなら 何も言えなかった
『宮浦が小川といてくれるんなら 俺は親友として 智を頼みたい どうかお願いします』
そんなこと…
「だから 俺は小川さんを守ります 何ができるかわからないけど せめて頼られる人間になりたいんです」
ぎゅっと 力を込めて抱きしめられる
「好きです…」
もう 何回聞いたんだろう
一回一回 真剣にいってくれた『好き』
自分に自信がなくて 返事をしない俺を ずっと待ってくれていた
辛いときには 何も言わなくてもそばにいてくれて 健人の胸と腕の体温に 何度救われたんだろう
「健人……」
顔をあげると お互いの目があう
吸い込まれるように ゆっくり ふたりの唇が重なる
「イヤ……でした?」
さっきまでの表情と変わって 真っ赤になってる
「……イヤなわけ ないじゃん」
「あ……はい…」
キライじゃない
「好き……だから……」
「え?」
健人が動揺してる
「もう 言わないから!お前みたいに いっぱい言わないからな!」
『好き』なんて 簡単に言えないし 大事だから 簡単に言いたくない
「はい…大丈夫っす」
嬉しそうに笑う
「小川さんは 目と態度で わかりますから」
「え……うそ……そんな」
健人への気持ち バレてたってこと?
「はい わかりやすいっす
でも…言葉で 言って欲しかったから 嬉しいっす!」
「わぁ!急に抱きつくな!」
勢いあまって ソファに押し倒される
「好きって言ってください」
健人の顔が 近い
息がかかるぐらいの距離で 要求してくる
「言ってくれたら キスしてあげます」
「け…けんと!?」
焦る! マジ焦る!急に なんだよ!?
「はは ウソですよ やっといつもの小川さんになった」
前髪を くしゃっと上げられ
額にちゅっとキスされる
「ば バカ!びっくりするじゃんか!」
「ごめんなさい つい かわいくて…」
「かわいくない!」
「その テレるの マジかわいい」
「言うな!バカけんと!」
騒げば騒ぐほど 健人はやっぱり 嬉しそうにしている
ホントは……健人に かわいいとか言われるの……好きなんだよ ばか…
健人に よいしょっと腕を引かれて 体勢がもとにもどる
「ちょっと 連絡してきます」
テーブルのスマホを手に立ち上げる
「え?どこに?」
「まあ… すぐ戻ります」
「うん……」
そういって 玄関から出て 数分もしないうちに帰ってきた
「俺 明日の始発で帰ります
だから 小川さんち 泊めてください」
…………は?
「いや お前 クラブに帰らなきゃなんだろ?」
「急用で帰れないから 明日の朝イチに帰る条件で 交渉してきました」
交渉って……
「いや 何やってんの?そういうことは ちゃんと…」
「今日は 小川さんのそばにいます 智さんのこと 心配でしょ?」
「それは…そうだけど…」
「あんな悲しい顔した小川さん 置いて帰れないから…」
頭をぽんぽんとして
「いいですよね?」
う……ダメなんだけど…
「着替え 俺の貸せないよ 」
ここにいて欲しい
「今日買ったやつ 着て帰ればいいっす」
「ベッド 狭いし…」
健人の胸の中にいたい
「落ちないように 離しませんから」
「襲う……かもだぞ…」
つか 襲われたい…
「さっきから いて欲しいって言ってますよね?」
「いいい 言ってないし!!」
「ちゃんと夜もいるから 安心してください」
「もう!何なんだよ!!」
ちゅっ
不意打ちに キスされる
「もう俺の恋人なんだから 俺には 素直になってくださいね」
「……………はい」
智さん
俺……健人の恋人に なれたみたいです
まだ 続いたりします😅
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更新楽しみにしてます♪
第5話読みました!藍くんの行動がヤバすぎてドキドキした…智さんが泣いてるの見て一緒に辛くなったけど、健人の「ハンドサインで大丈夫ってしてましたよ」って気づき方が優しすぎる。そして最後の「もう俺の恋人なんだから」って流れ、待ってました!って感じでした。続き楽しみにしてます🔥