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「……ん?」
カグヤの蹴りはガッツリ命中した。
が、それはコイツには全く効いていなかった。
「カグヤ!!」
ヴァルヴレッドにはガッチリ足を掴まれるが
「………っ!!!」
カグヤはめげずに俊敏にもう片方の足で蹴りをかまそうとする。が、その足も掴まれてしまい、ついには物干し竿に吊られるズボンのように逆さ吊りになってしまった。
当然スカートは全部めくれヘソまで見えてしまっている。あらわになってしまったガーターベルトに巻いている隠しナイフ、小道具箱…。んで、今日は縞々パンツだったのか…。
って、今はそんな気分になる時ではない。一刻も早くカグヤを助けなければ。
「おー?これはこれは……ぃしょっと!」
「っ………!!!」
ヴァルヴレッドはカグヤの両足をつかんだまま仰向けに力強く下ろすと、その場にしゃがみ込んだ。
そしてゆっくりカグヤの両足首を開く。
「…!?やめっ…」
カグヤのスカートの中をまじまじと見つめ、さらによく見えるようにぱっかりと股を露わにされてしまった。
さすがに恥ずかしくなったカグヤは両手でスカートを股にうずめるように隠す。
「契約痕…あるねぇ〜、キミ龍神だったんだね、まぁそうか。あんな動き、ヒューマノイドには無理だ。小柄だからわからなかったけど。えっちぃねえ〜。」
「……!!」
カグヤは赤面しているように見えるが、俺にはどうも話が見えない。契約痕って、なんなんだ。
「カグヤに手を出すな!!」
「あーー!!!!?リユージ君?我は君にしか興味ないのだよ〜♡」
「へ?」
「探し求めてやっと見つけた最高の逸材!!」
「なんで俺がリユージって…」
「こういう地味な方が好きなの?リユージくん、けっこうケダモノじゃーん?」
「さっきからなんの話を…?」
「黙りなさい…」
「どーゆー関係なん?キミらはー。」
「………。」
「その娘は俺の護衛と世話係だ。それ以上でもそれ以下でもない。傷つけることは絶対に許さない。」
「ん?しないしなーい。我は自分の夫を食べることはあってもドラグナーを殺すことは無い☆我はヒューマノイドが嫌いなだけ〜。」
昔、書物で見たことはある。冥龍アルテマは過酷な土地で育つため子供を孕む栄養がとれず、交尾をした後、妊娠がわかると雄を食べてその精力で卵を沢山産む種だと。。。げぇ。ホントなのかよこの情報。
「はぁ…いっとくけど、カグヤはもちろん人間だろうが獣だろうが、この街の人1人、一匹でも傷つけたら俺はお前を敵とみなす。」
「だーかーらー。はじめからずっと取引しにきたって言ってるのに。我はこんな弱小王国なーーーんにも興味ありませーーん。」
「それはそれでムカつくな。」
「リユージくん、この子とも毎日シテるー?」
「え?」
儀式のことか?
「余計なこと…!」
「んまぁ、我はキミが一夫多妻になってもぜーんぜん、かまわないんだけどねー。種族存亡の危機だからさー。」
「何をさっきからごちゃごちゃと……。」
一瞬の緩みを見逃さなかったカグヤは今度は頭をヴァルヴレッドに打ち付けた。またそれもHITするも、ヴァルヴレッドは微動打にしない。
「君のことは第一夫人候補として認めてあげるよ?」
「カグヤ!!」
「ふざけ……ないでっ……」
その時だった。
「そのかわり、ちょっとこっちねー!!」