魔女は思う。
自分にとって叶わぬと思いながらも心の奥底で望んでいたことが叶ったと。
メイは思う。
ご飯美味しいなと。
同じようで違う、違うようで同じな2人の食卓は質素ながらもとても幸せであった。
洗い物をしながら魔女はメイと話していた。
[メイ、洗い物は上手ね]
[手が荒れるってやらされてたから]
心なしか誇らしげなメイを見て自分と親を殺したくなるぽんこつ魔女なのであった。
メイは落ち込む魔女を心配そうに見ながら洗い物を続ける。
ただ、穏やかな時間が過ぎ去っていった。
***
[さて、ここのルールを説明しようかしら]
洗い物を終えたメイに魔女は笑顔で言う。
[まずは家畜小屋には近づかないでね]
[食われて死ぬわ。]
恐ろしいことを言い切るノンデリ魔女。
若干引くメイなのであった。
[次は畑にも近づかないでね 食われて死ぬわ]
[なんで飼ってるの?]
ご尤もなことを聞くメイ。
[薬の材料にするためよ]
メイは引きながら頷く。
[あと、調合スペースもだめよ]
[人が吸うと 死ぬやつもあるから]
メイは本当にここに住んで大丈夫か心配になった。