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「番になったその後で〜レトルト奮闘記〜」
森が平和になったその後のお話です😊
森は平和でもレトルトの心の中はまだまだ大荒れの模様…。
◉レトルト視点◉
俺にはいま悩みがあるんやけど、 ちょっと聞いてくれへん?
この前、キヨくんと晴れて番になったんやけどな。
人間でいう”夫婦”ってやつ。
ずっとコソコソとキヨくんのストーカーをしてて、その後魔女を倒して、キヨくん死にかけて、森が平和になって…そんな感じでまぁ色々あったんやけど、今こうして一緒におれる時間がほんまに嬉しくて、毎日めちゃくちゃ楽しいねん。
……でもな。
ひとつだけ、困ってることがあって。
キスから先になかなか進まん。
キヨくん、キスするだけで顔真っ赤にしてさ。
「獣人ってみんなこんな感じなの?」とか言って、はぐらかしてそのまま逃げるねん。
そんなわけないやん。
好きやからに決まってるやろ!!!
……いや、まあ。
そんなキヨくんも可愛いんやけどな。
でもやっぱり、もうちょっとだけ….。
その先まで、いきたいやんって思っちゃうんよなぁ。
獣人族は生涯1匹の番だけを愛して一生を添い遂げる生き物。
俺にはキヨくんだけ。
だから、分かって欲しい。逃げないでほしい。
それに、何故だか番を結んだ日からキヨくんの機嫌が悪い気がするんよなぁ….。
ん〜….なんでなんやろ?
どうしたらええんやろなぁ….。
番の儀式の日。
レトルトとキヨは、森の奥に広がる花畑に立っていた。
色とりどりの花が風に揺れ、その周りにはたくさんの動物たちが集まっている。
まるで二人を祝福するように、静かに見守っていた。
そんな中で、二人は向かい合い——番の誓いを立てる。
その様子をガッチマンとうっしーも見守っていた。
🦅「おめでとう!レトさん!キヨ!幸せになれよ!」
ガッチマンが大きな声で笑いながら言う。
🐟「おめでとう〜」
うっしーも、いつもの調子で軽く手を振った。
その言葉に、キヨは少し照れくさそうに笑い、レトルトはどこか嬉しそうに目を細めた。
🐺「キヨくん、俺の番になって下さい。死ぬまで大事にします。」
レトルトは少し照れながらそっとキヨの手を握った。
少し震える手がレトルトの緊張をキヨに伝える。
キヨはそんなレトルトをまっすぐ見つめ返し、同じように頬を赤らめながら口を開く。
🧑🦰「俺もレトさんとずっと一緒にいたい、ら これからも、ずっとレトさんの隣にいる。レトさん、好きだ。」
その言葉に、レトルトは嬉しそうに目を細めた。
その時——
(キヨ、おめでとう。幸せになるのよ)
やさしい声がキヨの心の中に静かに響く。
森の声だった。
すべてを見守ってきた存在も2人を祝福していた。
やわらかな風が吹き抜け、花びらがふわりと舞う。
その日、 二人は強く結ばれた。
森中が幸せな空気に包まれて
またひとつ——大切な絆が生まれた瞬間だった。
儀式の後、森ではそのまま宴が始まった。
日が暮れてもなお賑わいは収まらずあちこちで笑い声が響いている。
動物たちは楽しそうに踊り、焚き火の周りには酒や食べ物が並び、誰もが思い思いにその時間を楽しんでいた。
そんな中——
すっかり出来上がってしまったガッチマンが、ぐいっとキヨの肩に腕を回す。
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🦅「キヨ〜、おめでとう!!今夜は盛り上がりそうだな〜」
顔を赤くしてニヤニヤと上機嫌に笑う。
🦅「獣人は夜も激しいって有名じゃん!キヨ〜、死ぬなよ〜?」
ヘラヘラとした調子で言い放つ。
その言葉に——
🧑🦰「な、なんの話だよ、この酔っぱらい!」
キヨは一気に顔を真っ赤にして、慌ててその腕を振りほどいた。
🐟「レトルト、手加減してやれよな?」
うっしーまで珍しくその話に乗る。
少し呆れたような顔をしながらも、口元は緩んでいた。
🐺「分かってるって!」
レトルトは胸を張って答える。
🐺「キヨくんが死なない程度に、ちゃんと愛してあげるから!」
どこか楽しそうに、鼻息荒く言い切る。
🧑🦰「レ、レトさんまで何言ってんだよ!!」
キヨの顔はさらに赤くなる。
ゲラゲラと笑う三人。
その横でキヨだけが耐えきれず耳まで真っ赤にしながらうつむいていた。
そんな様子を見て、レトルトはくすっと笑う。
(……ほんま、かわいいなぁ)
騒がしい宴の中で、そんなことを思っていた。
空が白み始めた頃、ようやく宴は終わりを迎えた。
賑やかだった森も少しずつ静けさを取り戻していく。
🦅「じゃーな!また遊びにこいよ!2人ともお幸せに!!」
ガッチマンが大きく手を振る。
🐟「またな」
うっしーも軽く手を上げ、そのまま二人は自分たちの山へと帰っていった。
そして——残されたのは、二人だけ。
キヨは、宴の途中からずっと”その事”ばかり考えていた。
胸の奥が落ち着かず、酒も食べ物もほとんど喉を通らず 隣にいるレトルトのことばかり気になって仕方なかった。
一方で——
レトルトはというと、番になれたことがよほど嬉しかったのか、上機嫌で酒を飲み続けていた。
もともと強くないはずなのに止めることもせず、ぐいぐいと。
その結果——
🐺「ん……へへ〜、キヨくん〜」
今はもう、まともに立っていられないほどに酔っ払っていた。
ふらふらと体を預けてくる。
キヨはその体を支えるように、肩を貸していた。
🧑🦰「ほら、レトさん、ちゃんと歩けよ……」
そう言いながらもその声はどこか落ち着かない。
腕にかかる重みと、やけに近い距離に——
心臓がドキドキと高鳴り意識がどうしても向いてしまう。
レトルトはそんなことお構いなしに、くったりと身を預けたまま小さく笑った。
🐺「えへへ〜、今日からキヨくんと番やぁ……」
心底嬉しそうに呟く。
その無防備な様子に キヨの心臓が大きく跳ねた。
レトルトを抱えて二人は洞窟へと戻ってきた。
キヨはそのままレトルトをベッドへと寝かせる。
ふにゃふにゃと力の抜けた笑みを浮かべるレトルトを見て、キヨは小さくため息をついた。
「……ほんと、しょうがねぇな」
どこか呆れたように言いながらも、その表情はやわらかく緩んでいる。
そのまま立ち上がり、ベッドから離れようとした——その時。
ぐいっ、と腕を引かれる。
「……っ!?」
不意を突かれたキヨの体が大きく揺れ、そのままバランスを崩す。
次の瞬間——
ドサッ。
キヨはレトルトの上に覆い被さるように倒れ込んだ。
「レ、レトさん?な、なにして——」
言いかけた言葉が止まる。
すぐ目の前にレトルトの顔。
さっきまでふにゃふにゃしていたはずなのに——
その目は、しっかりとキヨを捉えていた。
『……逃がさへんよ?』
小さく、低い声。
酔っているはずなのに、どこかはっきりとした響きだった。
レトルトの目はさっきまでのやわらかなものとは違っていた。
どこか鋭く、獲物を狙うような視線でキヨを見つめている。
「……っ」
思わずキヨの喉がごくりと鳴る。
視線を逸らせない。
逃げたいはずなのに、体が動かない。
次の瞬間——
くるり、と体勢が入れ替わる。
「え……?」
気づけばキヨはベッドに押し倒されていた。
上から覆いかぶさるレトルト。
逃げ場は、ない。
心臓がうるさいほど鳴り響く。
(……食べられる)
ふと、そんな言葉が頭をよぎる。
レトルトはゆっくりと顔を近づける。
息がかかる距離。
そして——
そのまま、キヨにキスをした。
深く。
逃がさないように。
まるで、確かめるように——
いや、奪うように。
「んっ…んっぁ////あっはぁ♡んんっ♡」
荒々しく唇を押し開かれ、レトルトの舌がキヨの舌を絡めとる。
唾液を啜られ、優しく唇を噛まれると キヨの思考は一瞬で真っ白になる。
いつもの優しいキスとは違う 引き込まれるような、強いキス。
「……んっ♡んん♡レト…さん♡」
甘く漏れる声をキヨは抑える事が出来なかった。
『はぁはぁ..キヨくん、かわいい。もっと…食べさせて』
レトルトは息を上げながら指先でキヨの腕を押さえ、逃げ道を塞いだままさらに深く重ねる。
いつもよりずっと強引で でもどこか甘い。
『……キヨくん』
唇を離したあと、すぐ近くで囁く。
熱を含んだ声。
『ちゃんと、こっち見てや』
逃がす気なんて最初からない。
そんな距離で見つめられて——
キヨは怪しく光る黄金の目に囚われてしまった。
(ずっと恥ずかしくて逃げてたけど…もう覚悟決めるしかないよな)
そんな事を思っていた時だった。
レトルトの唇がゆっくりと首筋へと降りていく。
「……んっ♡」
ちゅ、ちゅ——
耳の後ろや首筋に柔らかなキスが落ちるたびにキヨは甘い声をあげる。
くすぐったいようなでもぞくっとする感覚。
逃げたくなるのに、逃げられない。
次の瞬間——
カプッ。
軽く噛みつかれる。
「っ……!」
思わず声が漏れ体がびくっと震えた。
心臓が、壊れそうなくらい鳴っている。
(……このまま……食べられてしまいたい…)
そう思ってキヨはゆっくりと目を閉じる。
レトルトを受け入れようとした——その時。
ドサッ。
「……え?」
急に体に重みがのしかかる。
目を開けると——
レトルトが、そのままキヨの上に倒れ込んでいた。
『……すぅ……すぅ……』
規則正しい寝息。
完全に、寝ている。
「……は?」
しばらく状況が理解できず キヨはぽかんとしたまま固まった。
「……おい」
軽く揺さぶってみるが びくともしない。
「おい、レトさん……」
反応なし。
完全に落ちている。
数秒の沈黙のあと——
「……はぁぁぁ!?」
洞窟にキヨの声が響いた。
顔を真っ赤にしたまま、天井を見上げる。
「ふざけんじゃねーよ!」
さっきまで覚悟決めてた自分が全部バカみたいで。
「……ほんとなんなんだよ、ありえねぇだろ」
小さく呟いてそっと体勢を整える。
「俺ばっか期待して、バカみたいじゃん…」
ぽつりと呟いて キヨも静かに目を閉じた。
一次の日一
レトルトは、ズキズキと痛む頭の重さで目を覚ました。
『……っ、いた……』
こめかみを押さえながら、ゆっくりと体を起こす。
隣に目をやると——
そこにキヨの姿はなかった。
『……キヨくん?』
ぼんやりしたまま呟きふらつく足で 外に出ると、朝の空気がひんやりと肌を撫でた。
その先に——
椅子に座り焚き火を起こしているキヨの姿があった。
パチパチと薪の弾ける音。
その前で、朝ごはんの準備をしている。
いつもと変わらない光景のはずなのに——
どこか空気が違った。
『……おはよぉ』
レトルトが声をかける。
すると——
「……おはよう」
キヨは、目も合わせずに返した。
淡々とした声。
その違和感に、レトルトは一瞬だけ首をかしげる。
『ちょっと飲みすぎちゃったわぁ……』
はは、と軽く笑いながら、隣に腰を下ろす。
だが——
キヨは何も言わない。
視線も、こちらに向けない。
沈黙が重く落ちる。
やがて——
キヨは立ち上がった。
「……狩り行ってくるわ。朝ごはん作ったから、食べれそうなら食べてな」
短く、それだけ言い残す。
そして振り返ることもなく、その場を離れていった。
『……え?』
ぽつりと1人取り残されたままレトルトの声が漏れる。
さっきまでの軽い気分がすっと消えていく。
『……なんなん?』
小さく呟きながらも——
胸の奥に少しだけ引っかかるものが残っていた。
レトルトはなぜキヨが怒っているのか分からないまま、一日中もやもやとした気持ちで過ごしていた。
滅多に怒ることのないキヨが、あんな態度をとるなんて。
『……俺、なんかしたんかな』
ぽつりと呟く。
思い当たる節がなくて余計に落ち着かない。
部屋の中を意味もなく行ったり来たり 座ってみたりしてもすぐに立ち上がってしまう。
頭の中はずっとキヨのことでいっぱいだった。
『……わからん』
小さくため息をつく。
その時——
ふと、何かを思いついたように顔を上げた。
『あ!そうや!キヨくんの好きな木の実取ってきたら喜ぶかも!!』
そう呟いた瞬間、ぱっと表情が明るくなる。
そう思ったらいてもたってもいられなくなり レトルトはそのまま勢いよく立ち上がると、外へ飛び出した。
そして、そのまま森の中へと走り出した。
森の中で木の実を探していると——
ぴくり、とレトルトの鼻が動いた。
『……あ』
空気の中に混ざるよく知った匂い。
『キヨくんの匂いや』
すっと顔を上げる。
『……川の方からする』
レトルトは匂いのする方へ迷うことなく走り出した。
草をかき分け、足音を殺して近づいていく。
そして——
茂みの陰からそっと覗いた。
川辺の岩の上にキヨがひとりで座っている。
少し背中を丸めて、どこか拗ねたような姿。
レトルトはその場で足を止め、耳をぴくぴくと動かした。
気配を消し、そっと耳を澄ます。
すると——
「……俺ばっかりが、こんな気持ちなのかな」
ぽつり、と零れる声。
思わずレトルトの動きが止まる。
「せっかく覚悟決めたたのに……」
小さな石を拾って、川へと投げる。
ぽちゃんと静かな音が響く。
「初夜だったのに……」
その言葉にレトルトの心臓が跳ねた。
「寝るなんて、ありえねーよ……」
もうひとつ、小石が水面に沈む。
「ちゃんと愛してあげるって、逃さないって言ったのに……」
少しだけ声が強くなる。
「……レトさんの、嘘つき」
最後はかすれるような小さな声。
そのまま俯いて、また小石を投げた。
その背中は どこか寂しそうで、 どこか拗ねていた。
レトルトは、茂みの中で固まったまま動けなかった。
『寝る……?逃さない……?』
レトルトは小さく呟きながら、記憶を辿る。
ぼんやりと、頭の奥に引っかかる感覚。
昨夜のこと。
酔っていて、はっきりとは覚えていないはずなのに 断片的な映像が、ふっと浮かぶ。
「……触って……」
かすれるような声。
「レトさん……」
熱を帯びた、甘い呼び方。
「もっと……俺に、触って……」
はっとする。
視界の奥にあの時のキヨの姿が蘇る。
顔を真っ赤にして。
潤んだ目で。
必死に、縋るように——こちらを見ていた。
『……!?』
レトルトの心臓が一気に跳ねる。
『……夢やと思ってた……』
ぽつりと呟く。
あの空気。
あの距離。
あの表情。
全部、はっきりと思い出した。
『……あれ、夢じゃなかったんや』
その瞬間——
途切れていた記憶が一気に繋がる。
鮮明に。
『俺、寝落ちしたんや』
胸の奥がじんわりと熱くなる。
『……それで今朝怒ってたんか』
寂しそうに俯くキヨの背中を見て、じっとしていられなかった。
レトルトは勢いよく茂みから飛び出し そのまままっすぐキヨのもとへ駆け寄る。
『キヨくん!』
「え!?」
言葉を発する間もくレトルトはキヨを ぎゅっと強く抱きしめた。
『キヨくん、ごめん』
背中に腕を回しそのまま引き寄せる。
突然のことにキヨは目を見開いた。
「レトさん!? な、なんでここに……」
キヨは一瞬迷って 恐る恐る口を開く。
「今の…… もしかして、聞いてた?」
その問いに——
レトルトはコクっと頷いて
『うん。聞いてた』
レトルトはキヨを抱きしめたまま素直に答える。
『キヨくん、本当にごめん』
レトルトはもう一度少しだけ力を込めてぎゅっと抱き寄せた。
『昨日、初夜だったのに……俺、酔っ払ってて』
ぽつりぽつりと言葉を落とす。
『キヨくん、初めて俺のこと求めてくれたのに』
声が少しだけ震える。
『俺……寝ちゃって ……本当にごめん』
『今夜、初夜のリベンジさせてくれへん?』
ふざけた様子は一切なく、ただ真剣な目でキヨを見つめた。
その表情を見て キヨはくすっと小さく笑った。
「しょうがねぇな。許してやるよ」
さっきまで拗ねていたのが嘘みたいに、少しだけ力が抜ける。
そして、グッとレトルトを引き寄せ耳元で囁いた。
「レトさん….俺の事いっぱい愛して」
恥ずかしそうに顔を赤くしてキヨはにっこり笑った。
その表情にレトルトの尻尾が思わずぱたぱたと揺れる。
『うん!今夜は寝かせてあげられないからね』
嬉しさと独占欲を隠しきれないままレトルトは小さく笑った。
今度こそ——
ちゃんと、最後まで一一。
続く
コメント
4件

2人ともめっちゃかわいい、、、🫶🏻💕︎︎🥰🥰 今回もありがとうございます!覚悟を決めたキヨも酔ったレトさんかわいすぎます!!😭︎💕︎︎ 次回も楽しみにしてます!

ちょっとめっちゃ最高すぎるじゃないですか続き気になりすぎて寝れなくなったんですけど次回に向けて正座全裸待機します。