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それから二人で結婚式場を見に行って
『ここがいい!』
「まだひとつしか見てねぇだろ 笑」
って笑ったり
招待状を送る宛先を決める時には
『やっぱ深澤先生は呼ぶでしょー?』
「えぇ、アイツよぶのか?」
『うん!あと宮舘先生も向井先生も!』
「教師ばっかじゃん 笑」
って笑ったり
ウエディングドレスの試着に行った時は
『これも着ていい?』
「俺はこれがいーんだけど」
『お願い!』
「んーわかった」
って上目遣いを使ってみたり
ほんと幸せしか詰まってなかった。
でも時々
『ねぇ翔太くん』
「ん?」
『コップ使ったら洗ってって言ったよね』
「あーやるやる」
『⋯もう』
って喧嘩みたいになっちゃう時も
1週間に3日ぐらいはあって。
それでも、好きだから。
愛しているから。
許せるの
・
「〇〇さぁ」
『うん』
夜ご飯を家で食べてる時に先生が話しかけてきた。
「何になりたいの」
『何って?』
「先生⋯とかさ」
『あー』
そうだ
私だって、もう22。
先生はきっと、教師になって欲しいんだろう。
だからって今から先生になるって結構きつい。
それに私の将来はもう決まってる。
『私』
「うん」
『今のカフェの店長になります』
「⋯はっ、店長!?」
『今の店長がもう歳で辞めるんです。』
「あぁー。手塚くんは?」
『小説でたべていくって。』
「じゃあ1人⋯?」
『そりゃあ雇りますよ。でも大丈夫。』
もともと、本には興味あるし。
自分で経営していくのにも憧れていた。
それに今の私には
先生だっている。
「決まってるなら、安心だな。 」
『はいっ!』
・
それから、店長が仕事を辞めて。
それと同時に手塚さんも辞めて。
手塚さん紹介の「新橋 結愛」という人を雇って今は2人で働き始めた。
「〇〇さん」
『ん?』
「手塚さん、今日も来てくれますかね。」
『んー最近忙しいって言ってたからなぁ』
「そうですか⋯」
手塚さんは働くのを辞めても時々、
このカフェに来てくれる。
手塚さんの小説が銀賞を取ったっていう話も聞かせてくれて3人で喜んだ。
「〇〇さんって」
『うん』
「お付き合いしてる人いますか?」
『いるよ』
「⋯手塚くんですか?」
『えぇ?そんな訳ないじゃん』
『結婚だって考えてるもん』
「なんだ⋯笑」
手塚さんは友達。
1回告白されたけど私はそれ以上に先生がすき
それに結愛ちゃんはきっと
手塚さんが好きなんだ。
『大丈夫』
「⋯よかった。」
『手塚さん、付き合ってる人いないよ』
「えっ?」
『応援してるから 頑張って。』
きっとこーやってアドバイス出来たのも
私が大人になれたから。
『今日は閉めよっか』
「⋯はい!」
今は夜の8時。
しかも今日は雨だし。
きっとお店に来る人も居ないだろう。
「〇〇さん」
『はーい?』
「外にお客さんが⋯」
『えっ!ほんとだ』
「ちょっと見てきますね」
今日はせっかく早く帰って先生とご飯食べれる日だったのに。
残念。
『どーだった?』
「なんか⋯〇〇さんを待ってるって。」
『えぇ?誰それ』
「渡辺翔太 とか」
『先生!?』
「先生って?」
『んーと、付き合ってる人!』
迎えに来てくれたんだ 先生。
あ⋯雨だから。
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