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S.T.M.yo
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第38話、読み終わったよ〜😭💔 恒貞親王が声を出しちゃいけないって言われて、泣くのを必死にこらえてるシーン、胸がギュッてなった…。父親の崩御で立場も危うくなって、周りからは「うつけ」って笑われてて、でも親王はちゃんと全部わかってるんだよね…歯軋りの音が痛すぎた🥺 乳母の「おいたわしや」にもらい泣きしそうになったよ。 次、どうなっちゃうの…!?
最初は、ベェン、ベェン、ベェンと…
不吉な音色で琵琶が掻き鳴らされていた。
その音色が、徐々に、途切れ途切れになってくると、合間から、何者かの話し声が聞こえてくる。
「は、母君…む、虫を、どりまじだ…み、見てくだざれ…」
嬉しそうな恒貞親王の声だ。
しかし、その歓喜を切り裂くように、淳和院后の鋭い声が響き渡る。
「声を発してはなりませぬ!
嬉しかろうが、悲しかろうが、そなたは声を発してはならぬのです!」
「な、なじぇなのでじゅ……な、なじぇ、こ、声を、はっじでは、な、ならにゅのでじが?」
湿った涙声は、更に、聞き取りづらくなってしまう。
「そなたは帝になる身です。
決して、正体を知られてはなりませぬ。
声さえ発しなければ、正体が露見することはないのです。
わらわと乳母(めのと)以外の者と、言葉を交わしてはなりませぬ」
「わ、わだぐじの、し、しょうだい……」
「そなたは、わらわの申すことだけ聞いておれば良いのです。
そなたは、帝にならなければなりませぬ。
帝になることが、そなたの幸せなのです。
分かりましたか!」
恒貞親王の間延びした絶望の声が、「あぁー、あぁー」と響き渡る中で、ピィー、ピィー、ピィーと…
高い龍笛の音と重なっていく。
やがて、その音が消えしまうと…
代わりに、カーン、カーン、カーンという磬(けい)の澄んだ金属音に合わせて、僧侶の読経が重なり、しめやかな音色を奏で始めた。
そして、そこかしこから啜り泣く声が聞こえてくる。
「淳和上皇(恒貞親王の父親)が崩御なされた…」
「二年にも及ぶ長患いの末、崩御なされるとは…
一時は、本復の兆しも見せておられたのに、無念でなりませぬ」
「これで、恒貞親王のお立場も危うなった。
今や、恒貞親王をお守りしておるのは、嵯峨上皇お独りになられたのだ」
「なにを申しておる。
恒貞親王のお立場が危ういのは昔からじゃ。
今に始まったことではないわ。
噂では、読み書きすらままならぬうつけらしい…」
「ワシも聞いたことがある。
日がな一日、淳和院の庭で虫を追うておるとか…
無口なのは、口を開けばうつけだと知られるゆえ、母君が、声を発するなと躾けておられるとか…」
「何と、それではまるで犬ではないか」
クッ、クッ、クッと、そこかしこから忍び笑いが起こる。
ゴリ、ゴリ、ゴリと、恒貞親王の歯軋りが聞こえてきた。
周囲の噂話が耳に入ったのかと、乳母(めのと)が気を使い、俯いた恒貞親王の顔を覗き込むと、どうやら泣くのを必死に堪えているようだ。
「悲しいのですね。
上皇様は、お優しいお方でした。
ことのほか、親王様をお案じになられて…
泣いても、良いのですよ」
すると、恒貞親王が童のように、ブルブルと首を強く振る。
「な、なぎばぜぬ。
わ、わだじは、こ、声をはっじではならぬのでず。
み、みなに、う、うづげだど、し、知られでじまうがら…」
ぶるぶると震える両手を握りしめ、奥歯をゴリゴリと鳴らしながら、必死に泣き声を堪える恒貞親王が、何とも健気で、乳母(めのと)の方が嗚咽を漏らしてしまう。
「おいたわしや、おいたわしや…」