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〜注意事項〜

・前回参照

・腐要素が前回より濃くなってます。

苦手な方は閲覧注意です。

ワンクッション







































◇◇◇


驚いたことに、ciの事を知って怯むような人はいなかった。

皆各々とワチャワチャしていた。

ciはまたひとつ自分の存在を覚えて、嬉しくなった。

「 ciおはよー。 」

「 あ、tn!! おはよ〜!! 」

「 おー。 んんーねむ。 」

目を擦るtnは、見るからに疲れていた。

「 ま、またgrさん?? 」

「 せやな、あの人書類放って遊んでんねん。 しかも、昨日はzmとshoの内ゲバにも巻き込まれたし。 」

「 ああ…。 」

「 ちちちちちちーすッ!!!!!!!!!!! 」

ドカン!!とzmがtnの背中に飛び込んできた。

zmの手はスッとciの頭の上に乗った。

ついでに撫でている。

「 おまえな"ァ… 」

「 んっ?? んん、怒ってるん?? 」

「 zmさん、shoさんと内ゲバしたんやろ?? 」

「 あッ、そ、それ!? それはもう許してもらったやん!! 」

tnのイライラオーラは強まっていく。

zmは慌ててtnから離れ、ciの腕を取った。

「 そ、それより今日は焼肉やなぁ!! ci沢山食おうな!! 」

「 はい!! tnも来るよな!? 」

「 まあ、行くけど。 」

「 やった〜!!! あっ、shpくんや!! 」

遠くに見えたのは、親友となった彼の背中だった。

駆け寄っていくのを、tnとzmは微笑んだ。


「 shpくん!! おはよう!! 」

「わー。 はよー。 」

驚かず、まるで分かっていたかのようにこちらを振り向く。

ciは慣れたようにshpの手を引き、食堂へ向かった。

「 ようやくやね、ciが正式に入軍するの。 」

「 俺もついにshpくんの隣で戦えるんや…!! 」

「 俺のこと好きやなあ。 」

「 まーね?? 」


そんなことで笑い合えるような、ただ平凡なヒビがciを救っていた。

それは、本人が1番知っていた。


◇◇◇


日が落ち、夜になった。

皆は街に降り、焼肉屋へと向かっていた。

ciはshpとお揃いで買ったジャケットを着ている。

「 shpくんは何食べるん?? 」

「 んー。 どうしようかな。 」

「 ciもshpも食べすぎんなよー 」

utが振り返って、微笑む。

それを見ると、ciも更に安心して微笑めた。



しばらくすると、街が騒がしくなってきた。

なんとなく危険を感じたらしいrbが、警戒して周りを見渡していた。

「 ci、後ろにいて。 一応。 」

「 え、あ…うん。 」


「 ドン!!!!!! ようやく見つけた!!! 」

「 …誰やお前。 」

見覚えのある顔が目に入る。

ソイツは、utらを押し退けてこちらに寄ってきた。

ciは目の前の親友から離れたくなかった。

きゅ、と親友の服を掴む。

「 …ドン、まさか洗脳されたんですか!? 」

「 それ以上近寄るな。 」

「 ちょ、くそ…なんだテメェら!!! 」

tn、それからknもciを囲むように立った。

shpはciの手を優しく取り、握りしめた。

騒がしいのはどうやら、ソイツ1人だけではないからだ。

他の皆は、ソイツ以外の奴らを抑えているらしい。

「 ドン!! まさか、俺らを捨てたんですか!? いや…お前らに無理矢理書き換えられたのか… 」

ソイツは俯くと、まるで人が変わったように笑い出した。

「 なんやお前、気持ち悪い 」

「 ふっふっふ…ドン!! 貴方にここは似合わない!!!!!!  」


辺りが煙で包まれる。

手榴弾の類だろう。


shpの手に熱い衝撃が走る。



それから、手のひらに感じていた親友を失った。




「 …ciッ、!!!!!…ッく"ぁ、 」

「 shp!! …knはciを追え!! 」

「 わかった!! 」

shpの手首は切れていた。

あと少し深く切られていたら、彼の手首は無かっただろう。

tnはマフラーをshpの手首に巻く。

煙が完全に無くなると、皆も集まってきた。

それから国民は慌てたように包帯などを集めてくれた。

zm、shoはknの応援に走り出す。


「 shp、焦るな。大丈夫。 」

utがshpを支えて、立ち上がる。

shpは俯いて、顔を見せてくれない。

彼の手は未だに何かを掴むように握られている。

中は空っぽだろうに。

「 …ci 」

ぽつりと零したその名に、utも俯く。

あれほど、自身の事を自白するのを不安がっていた彼が、連れ去られた。

元の場所に、連れていかれた。

いや、あんな場所元の場所もクソもない。

彼はここにいたいと言った。

それなら、ここが彼の居場所だ。


…だなんて、こうなる前に伝えるべきなのはとうに分かってるんだ。


◇◇◇


「 …shpくん元気出すんや、ciの事やから、戻ってくるよ。 」

snは、shpの手首に包帯を巻きながら言った。

慰める言葉も、上手く思いつかない。

俯くshpは、手を強く握りしめていた。

その手を、snは解く。

「 ……手、強く握ったら血出ちゃうから。 」

「 ciも怪我してるかも。 」

「 だからってshpくんも怪我する必要はないでしょう。 元気におかえりって言おう?? 」

snが何度背中を摩っても、shpは顔を上げなかった。

すると、医務室にutがやってきた。

utも疲れたように、ため息を零していた。

手にあるタブレットをバン、と机に置くと、shpに声をかけた。

「 アイツらがciの居場所分かったんは、ciにGPSが埋め込まれてたんや。 そういう家系に生まれたんやろうね。 」

「 …そう、だったんすか、 」

「 うん。 耳の裏にね。 ピアスみたいなんが着いてるなあとは思ってたんやけど。 」

shpがようやく少し顔を上げた。

合わせて、utはタブレットの画面を付ける。

そこには、地図があり地図上には点が表示されていた。

utはそれを指差しながら、2人を交互に見て話す。


「 ハッキングしたんやぞ、この俺が。 」


「 …えッ!? 」

shpが顔を完全に上げて、タブレットを見始めた。

snも驚きながら目を開くが、少し経って嬉しそうに微笑んでいた。

「 utやもんね。 仲間のことを絶対に見捨てない。 」

「 …な、なんか恥ずかしいんやけど、 」

頬を掻くutをshpが見つめる。

「 て、てことは!! ciを助けれる!? 」

「 そういうことや。 まずはshpの怪我を「 行こう!! 少しでも早く助けに行こう!! 」 …。 」

shpは立ち上がり、ジャケットを羽織り直す。

それを静かにutは止めた。

「 shpは待ってろ。 」

「 …手首なんて平気ですけど?? 」

「 それでも。 」

「 …ッ 」

「 俺とkn、tnにzmとsho。 もう用意してあるから。 shpは待ってて。 」

utはそう言うとshpのジャケットを脱がし、タブレットを置いたまま歩いて行った。


「 shpくん、安静にしてよう?? 」

「 …みんなそう言うんすね。 」


◇◇◇


「 それで?? ほんまにこの奥なんか?? もう山奥やぞ。 」

「 嗚呼。 GPSはその奥に…って、あ!! 」

山奥の先に、集落があった。

と言っても、限界集落でもう崩壊寸前だろう。

空っぽの畑の傍に、高齢者が1人立っていた。

「 すみませーん。 こんにちわ。 」

utが助っ席の窓から顔を出すと、高齢者はハッと驚いた。

それから慌てて駆け寄って、utの手を取った。

「 た、助けてくれぇッ 」

「 な、なんかあったんですか?? 」

「 あ、ああッ…突然若者が大勢来て、婆さんの屋敷を乗っ取られたんじゃ!! 」

「 屋敷…嗚呼、あれですか。 」

tnが指を指す方向には、ここには合わない大きな屋敷があった。

zmがタブレットを覗けば、確かにそこからGPSが反応している。


「 助けてくれぇ、婆さんの宝物なんじゃ、あそこには魔道具が… 」

「 ……ま、まどうぐ?? 」

utは目を点にする。

なんだかどうにもファンタジーなお爺さんだ。

「 婆さんは占い師でなぁ、魔道具を大切に大切に保管してたんじゃ… 」

「 …それって、にせも「 shoうるさい 」 はーい。 」

「 そのババ「 kn黙れ 」 はーい!! 」

shoとknの余計な言葉をtnが遮る。

恐らくは偽物の魔道具と呼ばれる道具なのだろう。

だが、彼にとってそれは宝物。

「 分かりました。 実は、俺達も宝物を盗まれた者でして。 」

「 そ、そうだったか…どうか、無事であってくれ 」

「 ありがとうございます。 行ってきますね。 」

utは車を停め、外に出た。

tnとzmは余計な言葉を言おうとするshoとknを抑えながら歩き出す。


「 …あそこの窓開いてるぞ。 」

「 よし、あの高さなら木に登ればいけるな。 」

tnが見つけた窓は、丁度傍にある木に近かった。

zmはぴょんと身軽に気を登り、窓へ飛び写った。

それから皆も侵入を成功させていく。

薄暗くて、不気味な屋敷だ。


「 …物音ないぞ?? 」

「 ダサい部屋やな。 」

「 ciが放置されてる可能性もある。 」

楽しそうに部屋を見渡すshoとknを、zmはなんとか止めた。

部屋を開けると、廊下に出た。

廊下には真っ赤な絨毯が広がっている。

それに合わせて、ぽつぽつ、と濃い赤色が落ちていた。

「 …tn、これって。 」

「 血やな。 ciのじゃないとええけど。 」

utは嫌な予感に頭を抱えた。


廊下を進み、ひとつ大きな扉を見つけた。

隙間があったので、覗いてみる。



水色の髪の毛がふわふわと揺れている。

間違いない、ciだ。

彼は椅子に座ったまま、動かない。

背中をこちらに向けているため、顔は見えない。

縛られている様子もないし、まだ呼吸音が聞こえている。

安心して、utは扉を開けた。

部屋には誰も居なさそうだ。

ciが音に気づいたのか、ゆら、と動いた。


「 ci!! よかった、無事そうやな!! 」

「 …。 」

「 ci?? 」

utは傍に駆け寄り、声をかけた。

返事はない、顔がゆっくりとutへ向く。

utは嬉しそうに笑っていた。


誰もが感動の再会を待ち望む中、shoとknはciの手に握られたソレに気がついた。


「「 避けろ!!!!!!! 」」


ブンッッ!!!!と突然ciの腕が振られ、utの髪の毛がふわふわっと舞った。



「 …な、ナイフ!? 」

tnはutの手を引き寄せて、慌てて立たせる。

ciはゆるり、と椅子から立ち上がった。



ciの手に握られているのは、ナイフであった。


「 ut大丈夫か!? 」

「 お、おうッ!! 髪の毛切れたけど!!! 禿げてないよな俺!? 」

knの大きな声に、ciが振り向く。

ciの目の焦点は合っていない。

ナイフを強く握りしめる音が耳に入る。


「 zm!! shpじゃなくて悪いけど、ツーマンセル組んで欲しい!! 俺1人ムリィ!!!!!!!!!!!! 」

「 えっえああ、うんッ!? いいよ!? 」

shoは素早く動き、ciの足を蹴り飛ばした。

バランスを崩し、ciが床に倒れ込む。

それでも、彼の手にはナイフが握られていた。

zmもshoの元へ駆け寄り、2人はツーマンセルを組むことに成功した。




「 …おいまて、ci。 お前まさかそのクスリ全部飲んだんちゃうやろうな。 」


tnの言葉に、皆が固まる。

ciが座っていた椅子の下には、無数の瓶が転がっていた。

その瓶には、錠剤の危険な物が入っている。

そして、次にutが指を差した。

「 …その変な形の物、あの爺さんが言ってた魔道具ちゃうよな。 」


「 ま、まま、まっさかぁ!! 魔道具なんてあるわけ 「 そう思いますよね。 」 …あえ?? 」



「 俺らのドンの完璧な理想図が完成したんですよォ!!!! フフフッ、ドンには悪いがクスリ漬けと、よく分からん催眠道具を使わせてもらった 」

黒いスーツを身にまとった男が部屋に入ってくる。

その後ろにはゾロゾロと仲間が。


ciが首領だとして、彼らはその幹部だろう。

「 ドンはどうにも優しすぎるとこがあって。 そこが俺たちは気に入らなかった。 ドンは一匹狼であるべきだ。 」

そういうと、男はサングラスをciにかけた。

「 …可愛いからと色んな男に目をつけられて。 俺らのドンはなァ俺ら以外が気安く触っちゃいけない存在なんだよォ!! 」

彼らのうちの1人が、前に出てきて、utをポンと叩いた。

「 アンタらさ、ウチのドンに色目使ってるよなァ。 特にあの紫色の奴。 」

「 お前らのciじゃないやろ。」

「 フッ、ドンの俺らを求める声聞いた事あるか?? お前らは無いだろうな。 なんなら、目の前で見せてやろうか?? 」

そう言うと、男はciの服のボタンを外し始めた。

「 おい待て!! そういうのが嫌なんちゃうんか!? それに、ciはお前らの首領なんやろ!? 」

tnが慌てて近寄ろうとするが、男の向ける銃口に、足を止める。

「 嗚呼。 誰かにやられるのは嫌だな。 だが、俺らなら良い。 ドンは俺らのだからな。 」

「 ciはお前らのこと嫌ってたけどなー。 」

zmが窓の外を見ながら、呑気に呟いた。

その言葉に、男はカチンと来たのかzmに近寄り、胸ぐらを掴んだ。

すると、次にその男をshoが掴む。

やはり、shoとzmの方が強いらしく、男はすぐに頭を窓の外へ押し出された。

上半身が窓の外へと放り投げられる。

「 …ッ、ドン!!! 」

「 …。 」

ciがナイフを握り、shoの元へ駆け寄る。

上げられたナイフが勢いよく降りるのを、shoは呆然と見ていた。


「 shp!!!! 」

utがそう叫ぶと、ciは動くのを止めた。

男らが不思議そうにciを見つめている。

utはそれらお構い無しに、口を進めた。

「 …shpがな、待ってるから。 」


「 あの子、ちょっと不器用やけどね。 それでもciのことは好きだって言ってたんよ。 」

ふふ、と笑うutはなんだかいつもと変わって大人のように見えた。

tn、knは男らの隙をつき、1人ずつ気絶させていく。

合わせてzmは完全に男を窓の外へ押し出し、shoを引き寄せた。

ciはutを見ている。

ナイフがカランッ、と落ちるのにutは息を吐く。


窓から差し込む紫色の光が、終わりを告げているようだった。


それでもって、彼がciを迎えに来た事を表しただろう。




「 ci、お前が今いるとこは何処?? 」

「 …。 」

「 …ね。 ここじゃないやろ?? 」

「 …、 」

は、とciが息を吐く。


ブオンブオンとバイクの音がしていたのをutは無視していた。

それから、ガチャとドアが音を立てて開くのを、utは分かっていた。



「 ci、戻っておいで。 」


shpが大きく手を広げる。





明日完結まで持ってきますね

投稿頻度ダンゴムシすぎて申し訳ない

今回6000文字あります

次回は4000文字かな、少なくてごめそ

戻っておいでと手を広げる

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コメント

16

ユーザー

楽しみにしてました!!今日完結か…楽しみです!!私のリクエストがこんな良い作品になってくれて嬉しい限りです…ところで福豆ってどう呼べば良いですか?仲良くしたくってですね…

ユーザー

久しぶりのここちゃんの小説最高すぎる 最後のタイトル回収すごすぎる✨️ 次回も楽しみだけどここちゃんもしっかり休んでね💖

ユーザー

続き本当に楽しみにしてたから、マジで嬉しいすぎる!最後のタイトル回収やばすき… もう直ぐで中間テストあるけど、これ見れたからめっちゃ頑張れそう!

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