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遮光カーテンの隙間から、外の光が入り込む。平日の真昼間、こんなところでこんなことをしている私は、倫理に反する女だ。生まれて初めての背徳感は、どこか甘美な気がして現実感がない。
誰も私がここにいることを知らない、翔馬はミハルとしての私しか知らない、ここはまるでパラレルワールドのようだと思う。現実であって現実ではない、そんな不思議な感覚。
シャワーを浴びてベッドに戻ったら、そのまま押し倒された。さっきまであった躊躇いは、熱めのシャワーで流されてしまったのか、何の抵抗もなく翔馬のすることを受け入れている。翔馬が教えてくれるという本当の女の悦びというものを、感じてみたいという欲望に身を任せることにした。
優しく触れるだけのキスからだんだんと激しく舌と舌を絡ませて、お互いの唾液を交換する。まだ、どこにも触れられていないのに、電気が流れるような感覚が私を包む。
「あ……」
唇が離れると、思わず声が出る。
「どうしたの?まだキスだけだよ」
キスだけで、なんとも言えない衝動が私を動かす。もじもじと、足を絡めてその敏感な先端を守ろうとしてしまう。私の両手を頭の上で左手で押さえつけて、何度も何度も体中に唇を落とす翔馬。右手はそっとうなじから胸へとおりて、硬くなった乳首を摘んだ。
「ふぅーん、感度は良さそうだね。これはどう?」
「んっ!」
翔馬の舌先がツンとなった乳首をコロコロと転がす、右手は揉みしだく…
男性経験が多いわけではないけど、夫だけということもない。結婚までには何人かとの経験もある。それでも、こんなふうに体が熱くなって早く欲しいと思えたことがあっただろうか?
「すごいね、ミハルちゃん…もうこんなになってるよ」
私の前に見せた翔馬の指には、ぬらぬらと光る液体が絡みついていた。
「いや…恥ずかしい」
「どうして?俺で感じてくれるなんてうれしいよ。もっと、してあげるからほら、体を開いて」
にゅるりと、翔馬の指が入ってきたのがわかる、一本、二本…それはまるで蛇のように私の中で動く、くねくねとそこから私を侵食するように。
「どう?ここ、いいでしょ?」
「ん…いい…」
「ミハル?子宮に力を入れてみて…」
「…え?そんな…」
「イメージだよ、ほら、俺の指に吸い付くイメージ」
どうやればいいのかなんて、わからない。
「ん、んんっ!…こ、こう?」
「いいよ、そう、もっと、ほら!」
「あっ、あぁっ!!だ、だめ…」
翔馬はさらに強く私の中で動き始めた、と同時にそこまできていた波が弾けた。
「あーぁ、漏らしちゃって、ミハルったら、エロいね」
「いやっ、そんな…」
「俺ね、潮を吹かせるの得意だから。でも、ミハルは早かったね」
「……」
あっという間のことで、何がどうなったのかわからなかったけど…気持ちよかった。
「まだまだだよ、まだ本当のエクスタシーじゃないよ、ほら、いくよ」
それからは、幾度となく達した。ちょうど凝っているところのツボを刺激するように、私がして欲しいこと、して欲しい場所をピタリと当てていく。“めくるめくとはこのことか”なんて思う私がいた。
やっと入ってきた翔馬は、焦らすようになかなか奥まで来ない。
「ね、お願い、あと少し…」
「言って、くださいって」
「お願い…奥まで、ください…」
その後は、もうひたすら翔馬の背中を抱き締めていた。息をするのも邪魔なほど、それまで感じたことのない絶頂に身を委ねて意識が飛んだ。