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私の人生は間違いだらけだった。
しかし今度こそ間違えないようにしたい。
そう思いながら生きてきた。
これからだってそうだ。
人生とは、選択の連続である。
自分の選択が正しいのかなんて誰にも分からない。
それでも選ばなければならないのだ。
正しい答えを求めて、今日も私は生きる。
【お題】
『夢』
朝目が覚めると、見知らぬ場所にいた。
辺りを見渡すとそこには見慣れぬ景色が広がっていた。
「ここはどこ?」
私がそう口に出した瞬間、目の前に見覚えのある人物が立っていた。
「おはようございます!マスター!」
そこに現れたのはなんとも可愛らしい女の子であった。
見た目的に中学生くらいだろうか? 髪の色は白に近い灰色で腰あたりまで伸びている。
瞳の色も同じ色をしている。
肌は透き通るように白く、鼻筋が通っている。
唇はピンク色に染まっており、どこか神秘的な雰囲気を感じる。
「えっと……君は誰かな?」
私がその子に向かって問いかけると、少し困ったような表情をしながら返答をした。
「私は……そのー……あなたに作られたアンドロイドですよ」
「あんどろいど?」
「はい!マスターの夢から生まれたアンドロイドです!!」
「ゆ、め?」
彼女は一体何を言っているのだろう。
夢の中の存在なんて非現実的なことが起こるわけがないじゃないか。
きっとまだ寝ぼけていて頭が上手く働いていないに違いない。
「ふぅ……」
一度深呼吸をして心を落ち着けて、それからよく考えてみるといいでしょう。
「今すぐ決断しなければいけないのか?」と。
「明日になったら考えが変わるかもしれない」と。
「今はまだその時じゃない」と。
「もうしばらく待った方がいい」と。
「まだ結論を出すには早すぎる」と。
「答えを出すのは時期尚早だと思うよ」と。
「もう少し時間をください」と。
もしそうならば、どうしてこんなにも胸が痛むのか。
「あのね、お兄ちゃん……」
妹の声を聞きながら、僕は思う。
妹よ、そんな風に僕を呼ぶな。
お前はいつものように、「お兄様」と呼んでくれればいいのだ。
ああ、それとも……「お姉さま」と呼ぶべきか? どちらにしても、僕の可愛い妹に変わりはない。
「お兄ちゃーん!」
再び呼ばれた。
だから僕は答える。
「どうした? 何か用かな?」
しかし妹は首を傾げるばかり。
「あれれぇ~おかしいぞぉ? なんで聞こえてるの?」
「ふっ、何を言っている。僕はここにいるじゃないか」
「いやでもだってさぁ……ほら! あそこに鏡があるじゃん!」
指差された方向を見る。
なるほど確かに鏡があった。
「それがどうかしたかい?」
「えっとね、ちょっとこっちに来て欲しいんだけど……」
よくわからないが、とりあえず従うことにした。
近寄ると、そこには僕がいた。
「うわ、びっくりした」
思わず自分の頬をつねる。
痛みを感じた。夢じゃないらしい。
「これが一体どういうことなのか説明してくれないかな」
妹に尋ねると、彼女は得意げに言った。
「つまりこういうことです!」
彼女の身体が光に包まれる。
それはやがて人型となり、大人になった。
「ど、どうですか!?」
光が収まると、そこには見知らぬ女性が立っていた。
年の頃は二十代半ばくらいだろうか。
美しい女性だった。
長い黒髪に白い肌。目鼻立ちがくっきりしていて、スタイルもいい。
「君、誰だい?」
僕の問いに、女性は目を輝かせた。
「わたしですよ! わかりませんか!?」
わかるわけがない。
そもそも妹は私のことを姉とは呼ばないし、呼ぶ気もないらしい。
妹の真意は不明だが、私は彼女を名前で呼んでいるし、たまには食事に誘ったりしている。しかし彼女はいつもそっぽを向いてしまうのだ。
そんなわけで私は今日も一人でランチタイムを過ごすことになったのだが、やはり一人というのは味気がないもので、せっかくだからどこか美味しい店にでも行こうと思ってスマートフォンを取り出すと、見覚えのないアプリが入っていた。
「ん?」
『おめでとうございます! 貴女は抽選に当たりました!』
どうやら新手の詐欺だろうか。私は怪しげなメールを削除しようと指を動かすが、何故か削除ボタンが見当たらない。それどころか勝手に画面が切り替わり、ポップアップが表示されていた