※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File15:紅茶殺人事件〉
「身分証を提示していただけますでしょうか?」
佐伯のたぶん何の気なしの言葉に、冷やりとしたものが背中を伝う。
佐伯の主張はわかる。
この探偵たちが調べてたのは、水野社長の不貞の証拠だもの。
これが世に出ればもちろん会社自体にも打撃はあるし、そうじゃなくても夫婦とその周りの人の人生が左右される。
だからこそ迂闊には渡せないんだ。
だけどそこまで徹底するものなのなの?
まさかとは思うけど、佐伯は――。
「どうかしました?」
「ああ、いえ。身分証ですね、わかりました。少し待っててください」
ここで身分証の提出を拒否したら不自然に見える。
だって自宅に身分証がないはずがないし、他に拒否する理由も思いつかない。
水野社長の奥さんの身分証がどこに**********************
**********
*********
************
************
**************
***********************
*****
コメント
1件