誰でも良かった。

「駄目だよね」

「あっ」

まただ。また君は勝手に傷をつけてる

彼女はいわゆるメンヘラだ。

メンヘラ、つまりメンタルヘルスが悪い人。

誰からも愛されたい人。愛する人は誰でもよく、

承認欲求が高い。心が弱い人。

「何回言えば分かるの？」

「ごめんなさい」

彼女は精神が不安になりやすい。

「………はあ………こっちおいで」

「う、…」

「何でやっちゃうのかな、私を怒らせたいの？」

「ごめんなさい…」

「お仕置きだね」

「うぐ………」

だから私がたまにこうやって満たしてあげている。

「大丈夫、これも君のため、」

「ごめんなさい………ごめんなさい………」

「ごめんなさい、って…本当にそう思ってるの？」

「おも、ってる、おもってるよぉ…」

「くるしい？」

「う…ん、ちょっとだけ…」

「このくらいが一番気持ちいいんだよね」

「ん、……すき……」

首に手をかけてるだけ、

それだけで彼女は満たされてしまう。

「、ぇ”、……あ、っ」

「う、ゃ”、」

「馬鹿だなぁ。

お仕置きなのに勝手に満足しちゃって。」

彼女が生きるも死ぬも私の加減、

「か、は………あ”、……ぃ”」

「死んじゃうね…」

こんな危機に陥っても、

彼女は私に首を預けたままだった。

「私たち…両思いには慣れないかな…」

彼女は誰でもよかった。