オレはみんなを笑顔にしたかった
ショーをすれば笑ってくれる。その笑顔が大好きで
何度も妹の咲希や大切な人の為にショーを行った
「オレの名は正義のヒーロー!スターペガサス!悪を成敗する為にやって来た!
みんな!!オレが来たからにはもう安心だぞ!!」
「頑張れー!スターペガサス!!」
いつものようにショーをして、咲希が笑う。いつもの風景
けど、その日は一人、笑っていない子がいた
「くらえ!!必殺!ペガサスアタック!!」
ぬいぐるみを動かしながら咲希たちの表情を伺うと
咲希の笑顔と対照的な無表情が目に入った
何も感じない。とでも言うようにショーを見ている人物の名は青柳冬弥
彼は時々家に来る。母さんが言うには親が有名な音楽家…らしい
だからコンクールなどで親が外出している間、家で預かっている。と言うのも母さんから聞いた話だが
「冬弥。“今日のショーも”つまらなかったか?」
この子はいつも笑ってくれない。どんなシナリオを作っても
どうやったら冬弥が笑顔になるか。それを考えるのが毎日の日課になってきている
「…面白い、んだと思います」
先程の質問に冬弥はそう返した。どうでもいい。と言うような口調で
ショーをして、同じことを質問して、曖昧な彼の返事が返ってくる
それの、繰り返しだった
どんなショーをしても、笑ってくれない。俺は冬弥に______みんなに笑顔になってほしいのに
そこでふと考える。これは、ショーでないといけないのか?他の物では、ダメなのか?と
笑顔にする方法はショー以外にも色々ある。音楽、本、映画…他にも沢山
本や映画は作るのにかなりの時間がかかるが音楽なら、もっと早く沢山届けられるのではないか?
ショーとは違い、その場にいなくても楽しめるし、咲希のように病弱で寝ていることが多い子でも無理せずに楽しめるだろう。
「母さん!俺、曲を作ってみたい」
そう言った時、母さんは驚いていたがすぐに曲を作れる環境にしてくれた
最初こそ操作に苦戦していたが今ではすっかり慣れて、短時間でも短い曲なら作れるようになった
「咲希!!新曲を聴いてくれ!」
「もちろん!今回はどんな曲なんだろー?」
咲希の身体はすっかり良くなり、今もこうして家で作りたての曲を二人で聴くことができる
だがまだ…冬弥を笑顔にできていない。だからオレは今日も曲を作る。冬弥を…
みんなを笑顔にする為にな!!
設定
天馬司
奏ポジ。奏より光が強い
追い詰められていないので神高に定時制で通っている
みんなを笑顔にしたいと思っている
青柳冬弥
まふゆポジ。臆病
親の勧めで神高ではなく有名な私立校に通っている
本当の自分を知って欲しいと思っている
東雲彰人
絵名ポジ。感情のまま行動しがち
絵に打ち込みたいので通信制高校に通っている
才能が無いと言ってきた奴を見返そうとしている
神代類
瑞希ポジ。口調が強い
不登校気味だが神高には全日制で通っている
周りに合わせるのが苦手で孤立しがち
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