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私は急いで鏡の場所へ向かった。
そして私達はまたあの白い世界に行った。
「蒼空….目開けてよ…」
私は蒼空が生きてることを祈るしか無かった。
「プー」
「オバケちゃん?」
ふわりと巨大化したオバケが
蒼空に覆い被さる。
「え…?」
数分後、
巨大化したオバケの中から蒼空が現れたのだ。
「蒼空!!」
「オバケ最強だな…」
私は喜びから蒼空に抱きついてしまう。
「良かった….」
私が安堵の声を漏らしてる中、
蒼空は悲しげな顔をしていた。
「蒼空…?どうかした?」
「卯川、お別れだね」
「え..なんで?」
「ハロウィンはもう終わりだよ」
どういうこと?
もしかしてこの世界はハロウィンにしか
来れないの?
そんなの絶対嫌だ。
「….無理」
「ダメだよ。卯川には家族がいるじゃん」
「じゃあ来年のハロウィンには会いに来てもいい?」
「それまでに鏡が捨てられるかもよ?」
なんで別れ際にそんな悲しいことを
言うのだろうか。
「私は今日のこと忘れないよ。一生」
「….みんなそう言って忘れてくんだよ」
「私は忘れない」
「蒼空が好きだから」
そう言うと蒼空は目を丸くする。
そして下を向いてこう言った。
「じゃあ来年のハロウィンの日に会いに来て」
今、蒼空の顔はどんな顔をしているのだろう。
泣いているのだろうか。
それとも….
下を向いてて全く分からない。
でも私は無理に見ようとはしなかった。
「分かった。約束ね」
「うん。約束」
そう言って笑う蒼空の顔は
最初に見た無愛想な顔とは全く違い、
完全に心を開いてるような
穏やかな表情だった。