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それでは
どうぞ。
ーーー
__星が一段と綺麗な夜。私は君に出会った。
夜空に浮かぶ無数の星。
その一つ一つが、遥か遠くの誰かが見上げている光なんだなと思うと、私は胸がざわつくのを感じる。
そう、私はこの輝きを追い求めて、天文学者になったんだ。
何かいつもと違う一番星。望遠鏡を握る手により一層力が入る。
🧡「……綺麗。」
誰に言うでもなく呟いたその時だった。
💛『ねえ、君。星が好き?』
ふいに声が降ってきた。
驚いて顔をあげると、そこにいたのは___少女。
ふわりと揺れる黒髪。透き通るような蒼い瞳。
そして何よりも異質なのは……彼女が、宙に浮かんでいることだった。
私は息を呑む。
🧡「え……?」
思わず後ずさる。けれど、少女は何の悪意も感じさせない無邪気な笑顔を浮かべたまま、ふわりと降りてきて、地上に立った。
💛『よかった。私のこと、見えるんだね?』
🧡「や、……え、………え?」
見える、って……?
なにを言っているのか分からず、私は唖然としたまま彼女を見つめた。
そんな私を見て少女は、面白げに微笑んで言った。
💛『初めまして、美咲。』
💛『私は綺羅。“星を紡ぐ魔女“だよ。』
ーーー
この街には、昔から2つの言い伝えがある。
その一つが、“星を紡ぐ魔女“。
__夜空に現れる蒼い瞳の少女。
彼女は、選ばれた者にしか見えない。
彼女に出会えた者は、たった一つだけ、どんな願いでも叶えられる。
_けれど、その魔女の美貌に恋をしてしまった者は、永遠にその願いを叶えることはできない。例え、努力をしたとしても。
同時に、魔女に想いを伝えることができなくなってしまう。苦しげに、その永遠の片想いを背負って生きていかなければならない。
そんな話を、私は子供の頃に聞いたことがあった。
それはただの幻想だと思っていたのに、目の前にいる彼女は、まるでその伝説を体現したかのようだった。
🧡「、信じられない。」
💛『ははっ、笑。無理もないよ。普通の人には見えないんだから。』
綺羅はくすくす笑う。
💛『でも、美咲は違う。』
💛『君は、私に選ばれたんだから。』
🧡「選ばれた、……?」
オウム返ししかできない私に、綺羅はぱ、と笑顔を浮かべた。
💛『うん!!!だから……君の願いを叶えにきたの!』
願いを、叶える?
私は息を呑んだ。
そんな、言い伝え通りの話があるわけ……。
🧡「私の…、願いを?」
💛『そう。でも、一つだけ。』
💛『さあ、美咲。君の願いは、なに?』
・長くなりそうなので次に書きます!