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今日も今日とて、何も変わらない日常。1つ変わっていると言うなれば、珍しく2人ともオフで、俺の家でまったりお互いが自由に過ごしている、ということだろうか。
「外、出たりしないの?」
「んー?照はどうしたい?」
質問を質問で返してくるふっかは、昼過ぎの温かな温度にソファの左背越しからひょこっと顔を出してアームレストに凭れかかり、少しの微睡みを湛えながらこちらを見てくる。
ダイニングテーブルに添えられたチェアに腰を下ろしていた俺はその姿を一瞥すると、一瞬だけ溢れた唾を呑み込んで壁掛けの時計へと目を移す。…まだまだ、時間は有り余っている。
「少しくらいは、体動かしたいかな。」
「おっけ。…っ、んん…、!」
外出する決心をした彼が、ほんのりと無意識な甘い声を出して伸びをする。それだけで、《いや、どうしようか。》と先程の判断に踏み止まってしまう。
(…コイツ、解っててやったのか?)
今日が何の日か、そんな日をどれだけ浪費しているか…今俺が欲しいのは…『何』、ではなく『誰』、なのか。全部知ったうえで…そんな反応なの?
──お前は、俺の恋人なのに?
「どこ行く?」
何も分かっていないような様子で微笑みを浮かべるふっか。
…あぁ、ちょっと、そろそろ我慢が。
「…ちょっとさ、連れていきたいとこあるんだよね。」
ゆっくりと、尚もソファに寝転ぶ彼へと歩み寄る。
「ん?どこ?」
そんな俺を目で追っていくふっか。ソファの前に跪き、覆い被さるようにそんな彼の頭を軸に両肘を置けば、ギッ、とソファから僅かな軋み音がする。
「…照、?」
無条件にお互いの顔が至近距離で向かい合う。未だきょとんとするも、小さく笑みを浮かべた俺に恥ずかしさが込み上げてきたのが、徐々に見つめ合っていた目が泳ぎ出す。
「…どこ、行くの?」
もう一度、彼は尋ねてくる。その唇に引き寄せられるように、自分のそれを近付けて、触れるか触れないかのところで…彼だけに聴こえるように囁く。
「──天国みたいなイイとこ。」