コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
これは、d!様の二次創作です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きは第一話を参照ください
でははじまります
あなたはなぜ、軍を壊してしまったんですか?
あなたが望んで軍に入ったのでしょう?
俺たちと同じように、居場所がなかったから。
総統の希望に満ちた瞳に吸い込まれるようにして、俺たちは軍へ入った。
syp「なあ…、何で、お前はみんなを壊してしまったん」
暗闇の中にぽつりとあの人の姿が見える。届くはずもない声を送る。
返事はない。でも、こちらを見たような感じがした。
syp「やっぱ…、俺、帰ってこないほうがいいんかな」
また無言。
syp「結局、やり直せないってことなんやろ?」
そう問えば、ひたひたと足音が近づく。
彼の不満を呼び覚ましてしまったらしい。
syp「……何でもないから。忘れてくれ」
暗闇から脱しようとする。その前に、その人は確かに俺に近づいて何かを言おうとした。
その声を振り払うと、意識のはっきりとする方へ浮かび上がるようにして進む。
syp「ごめんな。あんただけを責めてるわけじゃない」
だけど、
syp「誰もが被害者で加害者なんや」
最近気づいたことを、ごく自然に今吐き出せた。普段彼と話す時は恐怖を隠すためにまともに口を開けないのに。
syp「まあ、ええよ。また今度、ゆっくり話そうや」
もう少しだけ浮上すると、あの時鏡を抜けた時のような感覚とともに俺は現実世界へと戻っていった。
syp「ふぁ〜あ…」
目が覚める。いや、覚ましたと言ったほうがいいだろうか。寝起きの頭はどこかぼんやりしていて、それでももう寝る元気もなく起き上がる。
ベッドの近くの椅子に座っている誰かが、居眠りをしている。
それは紛れもない、もう一人の自分。
そっと肩を叩くと、彼はしまった、というふうに目を開けた。
syp『あ、さーせん…、あー…、起きたんすか、その、無事で何よりです…』
syp「おはよう、大分気持ちよく寝とったな」
syp『いや本当はイロニーさんの様子を見てくれって頼まれたんすけど』
syp「その途中で寝た、と」
syp『ごめんなさいホンマに』
syp「いや別に、俺のことそんな気にかけてくれんくてもええのに」
syp『うーん、まあ、最近おもろいことなくて退屈やったから、イロニーさんが来てくれていろいろ楽しかったんよ。そのお礼ってことで』
はあ…、そんな扱いなんや。
……、ヤニ足りひんわ。
ライターは胸ポケットに入っていた。ところが煙草の方は自分の部屋に置いてきてしまったらしい。思わず慌てる。クッソ命より大事な煙草を…。
syp『煙草貸しましょうか?』
服のありとあらゆるポケットをあさる俺を見兼ねたのだろうか。いずれにせよ心配をかけていることがなんだか情けなかった。
syp「あんたも、吸うんや」
syp『はい。ショートピースを』
syp「へえ…、同じやな」
syp『えっ、ホンマに?』
syp「美味いよな」
syp『じゃ、どうぞ。ライターはあるんすか』
syp「ある。ありがとうな」
syp『いえいえ』
禁煙なのかどうかは知らんが本能に逆らうわけにはいかない。手早く火をつけてそれを口にくわえる。その行為をするだけで体の中が満たされるような感覚がする。
その煙草の味は、俺がいつも吸っているものと少しだけ違うらしい。若干マイルドな感じがする。
煙草を吸っているうちに、どんどん心の中が向こうの世界からこちらの世界へと戻ってくる。頭が冴えて、夢と現実が分離する。
その瞬間、もしかしたら今自分が魔法を使ってあちらの世界と繋がれたのではと思った。少しだけ嬉しくなり、思わず顔がほころぶ。
syp『なんかあったんですか?』
俺の表情の変化を目ざとく察知してすかさずこえをかけてくる。
syp「進展ひとつだけ」
syp『え、マジで!?』
syp「俺、あっちの世界に帰れるかも」
syp『魔法、ですか…?』
syp「多分。自覚できた。俺さっき、寝てる間にあっちの世界と繋がれたなって」
syp『願った?』
syp「あっちの世界のとある奴と話をしたいと思っただけ、なんやけど」
syp『はえ〜…』
魔法ってすごいんやな、と呟きながらまた彼も煙草を取り出し火を付ける。
部屋中に煙草の香りと煙が充満する。まるで俺たちだけの空間をつくっているように。
syp『あ、そうだ』
syp「ん?」
syp『これから、飯行きませんか』
syp「誰と?」
syp『ciとrp』
syp「ええけど」
syp『よーし、決まり。先に店向かってると思うんで、少ししたら行きましょっか』
syp「他の、秘密結社の奴らは来ないんか?」
syp『繁忙期なので、多分無理です。あと、その…、誘ったらマズい人もおるんで…』
syp「誰?」
syp『zmさん……』
syp「マジか。何がそんなにマズイん」
syp『いや、もう…、超大量に飯頼んで、強制的に胃にねじ込んでくるっていう鬼畜の所業をしてくるんすよ。あれでしばらく動けなくなったことあるからホンマに…』
syp「無理やり食わせるってこと?」
syp『まあ、はい。そっちのzmさんは、いたずらとかしないんですか』
syp「逆にお前んとこのzmはするん?」
syp『大好きですよ、いたずら。一線をギリ越えるか越えないかのところで』
syp「ヤバ…、うちのzmは…、強いけど大人しい」
syp『強いとこは一緒か』
syp「多分。意外と似てるとこあるんやね」
煙の溢れる部屋で、落ち着いて話をしているとなんだか変な安心感に襲われる。
これでは自分から首を絞めにいっているようなものじゃないか。
バカなのか俺は。
syp『気分は良くなりました?』
syp「おかげさまで」
syp『あなたが魔法のこと自覚できたこと、はよ伝えんとな。じゃ、行きましょっか』
そう言うと彼は立ち上がり、机の上においてある鍵束を手にして部屋の電気を消した。
彼に続くようにして俺も部屋を出る。
sypは施錠や電気の確認をしながら出口へ向かって廊下を歩いていく。
静寂の中に溶け込むような靴の音。
すべての部屋を確認し終わった彼は最後に廊下の電気を消した。
突然あたりが暗くなる。
出口の扉を開けて階段を上がった先には、夜が深まるごとに賑やかさを増す繁華街と、帰る人がごったがえすビル街。
ciたちが待っている店は繁華街の一角にあるようで、sypが地図を確認しながらその店へと向かう。
街の明かりに包まれて、晴れているのに星は全く見えない。
空を見上げて、一瞬立ち止まる。
そして、また歩き出す。
自分が今いる世界は、何らもとの世界と変わりはしないんじゃないか?
——————————————————————————————
スランプ。
体調崩したし。
全然投稿できんかった。ご無沙汰してます。
他の人の神作品見て力を得る日々。尊敬しかないです。
勉強ついていけなさすぎてヤバい。
それではさようなら〜