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#ロマンスファンタジー
百はな🍑
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#魔法
しろのね
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竜馬はバイクのイグニッションキーを回すことが出来なかった・・・クラッチを握ってドゥカティを発進させることを、手が拒んでいる
しかし・・・いつまでもここにいる訳にも行かず、ドゥカティを発進させ、少し行った小高い場所にある公園にバイクを止めた、ここからなら彼女の家が良く見えるからだ
彼女が金魚の浴衣のプリンセスとわかってから、何度もここから彼女の家を見ていた・・・最初にどこの部屋が明かりがつくかも知っていた、あんなただっ広い家に、本当に彼女がたった一人で住んでいる現実に悲しくなった
自分は不健全で、憐れなストーカーだ、竜馬は彼女の部屋の電気が灯るのを見守ってからやっとバイクの向きを変え、ドライブヴェイを加速した
風呂に入り洗い立ての髪を無造作に拭き、ウィスキーをグラスに注ぎ、上を向いて一気に喉に流し込むと、喉が焼けそうになった
飲まないとやってられない・・・そしてハナを胸に抱き、倒れるようにソファーに横になる、ハナのフワフワの体を撫でながら先ほどの彼女の家の庭でのことを思い出していた・・・
竜馬は彼女とキスをしながら・・・ゆっくりと手探りした・・・彼女の傍に居る時だけ、目覚める秘密の感覚を使って・・・彼女に対してだけ働く目や耳・・・それらを研ぎ澄ました
彼女の奥深くに入りたい・・・自分のものにしたい・・・頭を竜馬の肩にもたせもたれてくる彼女の温かい微かな重みが奇跡のようで・・・あの瞬間を壊したくはなかった
息を吸いこむと・・・甘く芳しい彼女の髪の匂いを思い出した・・・豊かな髪が竜馬の胸に広げられ、腕にもかかっていた、今でも指がじんじんする、彼女が大切な所を触らせてくれている、それだけで恐れ多くて体が震えた
しかし気づいてしまった・・・彼女の中のピンとあまりにも繊細に張った、小さな壁・・・まだ咲きほころぶ前の、蕾の様に固かった・・・あそこを突き破るには、彼女はそうとう辛い思いをするだろう
―彼女のような女性がまさか処女だったなんて・・・―
.。. .。.:・
竜馬は頭をブンブン振った、またキッチンに行き、ウィスキーを氷も無しにロックグラスに注いで一息で飲んだ、そして捕らえられた熊の様にキッチンを行ったり来たりした
彼女は27歳だぞ?それにあんなに可愛いんだ・・・男の一人や二人と付き合ったことはあるだろうと思っていた、それなのに・・・
くう~んとハナが竜馬の手をペロリと舐める
「ああ・・・眠いなハナ、ベッドへ行こうか」
竜馬はTシャツとスエットズボンに着替えて、また考え事をした、あれほど美しい彼女がこれまで処女を守り抜けるとは思いもしなかった
しかし・・・思い当たる所は数々ある・・・ジムで自分の上半身裸を見て悲鳴を上げていた彼女・・・今ならその理由がわかる、彼女は男の裸を見たことが無いのだ
さらに自分にエロい目で見られジリジリ迫られているのに、ちっとも気づかず、口ごたえしてきた彼女・・・今になって考えてみれば、どれもこれも彼女の行動に思い当たる節は沢山あった
やれやれ・・・今夜勢いに任せて事を起こさないでよかった、間違いない、彼女は処女だ、竜馬は彼女に触れた時のあのゾクゾクする感覚を思い出した
今でも股間は破裂しそうにガチガチだ、そして彼女を処女と認識した今、いつか彼女が他の男と初体験を済ませる事を考えると胸がムカムカした
彼女にふさわしい男で、初めてを素敵な思い出にしてくれるようなそんな男でないと自分は認めない
そしてそれは自分ではない・・・思いがけない接触事故で、彼女と初めて出会ってから、役員会議で彼女があの金魚の浴衣のプリンセスだと気付いて驚きと同時に、とんでもなく美しく、魅力的な女性に成長したことを、本当は心の中で賞賛していた
それを周りにバレないように必死に無表情を保っていた・・・それから彼女に関しては、感情が上手くコントロールできない事ばかりだ
彼女はすっかり忘れているようだけど・・・いつかタイミングがきたら話すかもしれない
君は覚えていないかもしれないけど・・・あの時・・・18歳でフラッと家にやってきた、無一文でみすぼらしく・・・浮浪者の様な風貌で、君に別れの挨拶一つしないで、アメリカに逃げた、君の家にひと夏世話になった少年は僕だって・・・
あの家で君と過ごした日々は・・・僕の人生で一番癒された美しい期間だったと・・・無念にも立派になって帰って来てあの時助けて頂いた、一生分の恩返しを本当は恩師にしたいと思っていたのに・・・時はすでに遅し・・・たった一人の恩師はこの世になかった
しかし・・・これからは、自分は兄のような存在になって、彼女の幸福を陰から見守ってやりたいと心に誓った
でもそれは恋人ではなく・・・恋人ならどんなにいいだろう・・・彼女に馬乗りになって、あの見開られた茶色い大きな目を見下ろしながら一晩中セックスできるなら・・・
何度もイかせて、彼女を満足させられたら、それを毎晩のノルマにして、朝でも夜でも昼でもいつだっていい、しかしそんなことを夢見ても辛くなるだけだ
叶えることはできないのだから・・・彼女とは歳が離れすぎている、そこでフッと笑ってしまった・・・自分は彼女よりもっと年下の女性を妻に迎えようとしているじゃないか
そうそう・・・自分は婚約しているんだ、政略結婚はビジネスだと思っていた
今まではそれでよかったし、アリスの祖父には多大な借りがある・・・
とにかくジェニに対しては、父のように兄のように・・・そんな感覚でこれからも彼女を見守っていけばいいんだ、この自戒を忘れないでいよう
竜馬はうんうんと、腕を組んで頷いた
コメント
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第92話、読み終えました。竜馬の内面描写が本当に丁寧で、胸が締め付けられました。特に「彼女の中のピンとあまりにも繊細に張った、小さな壁」という表現にゾッとしました。処女と気づいた後の自制と、それでも溢れる欲望の狭間で揺れる姿が生々しい。そして過去の縁が明かされた瞬間、すべてのピースが繋がった感覚が心地よかったです。彼が婚約しているのに「兄のように」と自分に言い聞かせる苦しさ、よく伝わってきました。次が気になります。