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「涼太、くぅんっ」


彼女の甲高い甘ったるい声を聞きながら、放出した後の虚しさに耐えるのにも随分慣れた。


可愛らしい顔に似合わず早熟な彼女は、俺の気持ちを手に入れることに必死で、会うたびに俺を求めて来た。

俺は健康な男子で、もちろん気持ちいいことも好きだけど、身体と心をうまく切り分けられないでいる。


目の前のこの子が翔太ならどんなにいいだろう、つい、そんなことばかりを考えてしまう。


俺の翔太への片思い歴は軽く両手を超える。

ただし俺の場合、それが恋だと気づくのが遅過ぎた。


「私のこと好き?」


❤️「好きだよ」


「嬉しい」


セックスをすると、必ず聞いてくる彼女。

この質問に一体何の意味があるんだろうと煩わしく思っていたら、それが今日は露骨に顔に出ていたのか、とうとう彼女の機嫌とプライドを損ねてしまった。


「宮舘くんて何考えてるかわからないよね」


唇がわなわなと震えている。なんと答えたらいいのか考えあぐねていると、彼女は唐突にこう言った。


「調子乗らないでよ」


❤️「え?」


「あんたみたいな三流アイドルと私は違うんだから」


彼女は、勢いにまかせて乱暴にそれだけ言うと、怒って帰って行った。


怒涛のような展開に、衝撃と疲労だけが残る。


追いかけることもせず、手元の携帯で彼女に連絡をすることもせず、俺たちはそのまま自然消滅して別れた。

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