時間にして5分ほど。
帰宅してリビングのドアを開けると、床にコップが転がり水がこぼれていて、阿部ちゃんがラウールに組み敷かれて必死に抵抗していた。
🤍「やっぱり寂しい、康二くんなんでわかってくれないの?俺こんなに好きなのにぃ」
💚「ラウール違うって、俺康二じゃな…んッ」
阿部ちゃんの声がくぐもって、唇を奪われたんだとわかって慌てて止めに入る。
この体格差でしかも酔っていたら、阿部ちゃんには太刀打ちできないだろう。
🖤「おいラウール離れろ!」
🤍「やだぁ〜康二くんがいいの」
🖤「その人阿部ちゃんだから!ほら!」
🤍「へぇ…?」
ラウールは寝ぼけ眼で自分の下にいる人を確認して
🤍「ほんとだ阿部ちゃんだぁ」
と他人事みたいに言った後俺に向き直り
🤍「間違えちゃったぁ、ごめんね康二くぅん」
と唇にかぶりついてきた。
否定する暇なんてなかった。酔って寝ぼけてるくせに、康二が絡むとやたら動きが俊敏だし力も強い。
俺たちの中のラウールの立ち位置だから許されるけど、なんて厄介なんだろうか。
唇が厚くて舌が長くて愛が重いラウールのキスは、それはそれは濃厚だ。
康二はこんなのを相手してるのかとかちょっと冷静になってしまう。
🖤「…違う、ラウール、俺蓮だから!康二じゃない!」
🤍「えぇ〜……?」
阿部ちゃんも声をかけてくれて、ラウールはやっと離れて俺を見た。
🤍「めめだ」
🖤「そうです」
🤍「じゃあ康二くんはどこ?康二くぅん……会いたいぃ」
ソファに顔を伏せてしくしく泣くような素振りを見せ、そのまままた寝てしまうラウールと脱力する俺たち。
静寂が訪れたリビングに電話のバイブレーションが鳴り響く。
ラウールのスマホだ。しかも康二からだ。
🧡「あ、ラウール?今仕事終わってん、いい感じに巻いて早なって。良かったらこれから」
🖤💚「「今すぐ迎えに来て!!!」」
🧡「あ?え?めめと阿部ちゃん?」
コメント
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酒癖悪いーーー🤣🤣🤣