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次の部屋についた。毎度のようにカルテにルールが書かれている。
【ポーカー】
〜同じ数字や連続した数字、同じマークを五枚のカードで揃えるゲーム〜
・ゲームマスターがディーラーを決める
・参加料にチップを払う
・ゲームマスターがプレイヤーにカードを五枚ずつ配る
・ディーラーから時計回りにチップをかけていく(全てのプレイヤーが同額を賭けるまで繰り返す)
・ディーラーから時計回りにカードを交換する(手札の中からいらないカードを伏せて出し、ゲームマスターからその分のカードをもらう。何も交換しなくても良いし、全てを交換しても良い)
・これを三回、繰り返す
・最も強い役を持っていたプレイヤーを勝ちとする
ベット→チップを賭けること
チェック→次のプレイヤーに順番を回すこと。所謂パス
フォールド→勝負を降りること。手札は伏せてテーブルに置く。参加料やそれまでに賭けたチップは返さないものとする
コール→同額のチップを賭けること
レイズ→チップを上乗せすること
リレイズ→二回目以降のレイズのこと
オールイン→十分な額がないときに持っている全てのチップを賭けること
※チップは一箇所に溜めておく
なるほどと思う。黒幕を探すゲームがまさかのポーカー。如何に勝つか、如何に逃げるかが重要な要素になってくるゲーム。そう。運要素が強い、というのは今までのゲームと同じなのだが、一線を画すのは「降りる」ことができるところだ。勝てないと思えば早々に逃げてしまって良いゲームのだ。このゲームを進めながら黒幕も探さなければならない。よく見るとカルテの裏にも文章が続いていた。
〜ポーカーハンド〜
・ジョーカーは何として使っても良い。ただし同じ組み合わせが出た場合はジョーカーを使っていない方を勝ちとするケースもある
・同じ役が出た場合は数字やマークの強さで勝敗を決める
・数字の強さは大きさで決まる(エースは一四とするので、エースが最強、二が最弱となる)
・マークの強さは♤>♡>♢>♧
ブタ→何も揃っていないこと
ワンペア→同じ数字が一組揃っていること
ツーペア→同じ数字が二組揃っていること
スリーカード→同じ数字が三枚揃っていること
ストレート→連続した数字のカードが5枚、揃っていること
フラッシュ→同じマークのカードが5枚、揃っていること
フルハウス→同じ数字のカードが3枚と2枚、揃っていること
フォーカード→同じ数字のカードが4枚、揃っていること
ファイブカード→フォーカード+ジョーカーが揃っていること
ストレートフラッシュ→同じマーク、連続した数字のカードが5枚、揃っていること
ロイヤルストレートフラッシュ→エース〜一〇のストレートフラッシュのこと。ただしジョーカーが含まれている場合はただのストレートフラッシュとする
「今回はジョーカーを一枚だけ入れようと思います」
ジョーカー。何にでもなれる恐ろしいカードだ。よし。ゲームを始めよう。終わらせるために。ルール「は」律儀に書いてあったおかげで誰もがある程度は進めていけるようになっている。ひとまず第一ラウンドとして四ゲームだけ初めてみる……それはいいのだが……
「エースのフォーカード」
「ストレート」
「フラッシュ」
「フルハウス」
そう。陶瑚が強すぎるのだ。家族である自分たち ですらドン引くレベルだ。何をしたらこんなに運を引き寄せられるというのか。しかもその間に黒幕の指名もしなければならない。前回、失敗してしまったからか葉都季がやたらと探偵モードオンだ。
「でも……アナウンスが流れないってことは……違ったんだ」
「もう殴って吐かせる?」
これが歌華。
「それはルール違反だ」
「散々ポーカーで勝った陶瑚が黒幕だろ!」
「は? 違うし」
「違うんじゃないですかね……だって彼女はゲームが始まる前からずっと私たちの隣にいましたから」
助け舟を入れてやった。無罪を証明できた(ただの屁理屈で草)。なんか通ったらしい。何か分かったのか磨輝の下手くそなフィンガースナップがかする。
「黒幕が分かりました」
「そうですね? 葉都季さん」
磨輝の言葉で思い出す。そういえば黒幕探しが始まってからやたらと犯人を探したがっていた。ずっと自分が黒幕ではない前提で話していた。それって……
「それって自分が黒幕だって分かってたからですよね?」
「気づいたね……最後の最後で」
「待て、焦るな、話せば分かる!」
小刀を抱えて問答無用に突進してくる。咄嗟に磨輝の体を片手で抱えて真横に飛ぶ渚冬。少し掠めたが。
「隠れてろ。ここは俺がなんとかする」
「どうするの?」
チャンス。一気に間合いを詰めて右手を蹴り上げる。幸呼奈と陶瑚で背後に周り、羽交い締める。そばで茉津李が両足を踏ん張って立っている。
「よし! 茉津李、いいぞ!やれ!」
そして思い切りキックをかます。お互い悶絶。