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#心理戦
鬼霧宗作
293
りんご
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MIRAN@📢参加型更新
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「まだ着かないのかなぁ……寝ちゃおうかなぁ」「おい、騒いでた女子たちが寝てるぞ」
そんな呟きが聞こえる頃には、車内の空気も少しずつ落ち着き始めていた。
つい先ほどまであれほど賑やかだった声が、いつの間にかまばらになり、話しながらもあくびをする者が増えていく。
バスは順調に進んでいた。速度は速すぎることもなく、道が空いているおかげで揺れも少ない。けれど、外の景色はいつの間にか変わっていた。
さっきまで青空が広がっていたはずなのに、いつの間にか灰色の雲が空を覆い始めている。
長旅の疲れからか、学生たちは一人、また一人と眠りについていった。
車体が揺れるたびに、寝落ちそうな学生たちがかすかに身体を傾ける。誰かの肩にもたれかかったり、窓に頭を預けたりしながら、そのまま静かに夢の世界へと落ちていく。
あれほど賑やかだったバスの中は、あっという間に静寂に包まれた。今は、エンジンの低い振動音と空調のかすかな唸りだけが、車内に響いている。
それでも、陸馬ハルキはうとうとと意識が遠のきそうになりながらも、眠りの深い場所まで落ちていくことができない。
前日、就活のスケジュールを確認しながら、この旅の準備をしていたせいだろうか。あるいは、それだけではないのだろうか。
……何かが引っかかる。
そう思った瞬間、車内が突然暗くなった。
「……トンネル……か……」
ハルキはぼんやりとつぶやく。
バスは長いトンネルに入ったようだ。窓の外には、闇と点滅するライトの光だけが交互に流れていく。白い光の筋が一定の間隔で通り過ぎるのを見ながら、ハルキは何となしに前方へと視線を向けた。
そこで奇妙なものを見た。
運転席の男。
運転手の姿が、黒い帽子と分厚いマスクに覆われていた。
さっきまで、こんな格好をしていただろうか。
そのマスクは普通のものではなかった。何かの装置につながっているのか、一定の間隔で「シュコー……シュコー……」と機械的な呼吸音を立てている。
その様子に、ハルキはぞくりとした寒気を覚えた。
おかしい。
直感的にそう思った。
しかし、それ以上考える間もなく、ハルキの意識は突然、闇へと沈んでいった。
コメント
1件
ああ、この第2話、めちゃくちゃ好きな雰囲気でした…!静かに寝静まるバスの中で、ハルキだけが引っかかりを感じて眠れずにいる描写がもう、ゾワッとくるんですよね。あの「シュコー…シュコー…」というマスクの呼吸音、不気味で脳裏に焼きついちゃいました。旅の浮かれた空気から一転、じわじわと忍び寄る違和感——この不安の描き方が本当に巧みで、続きが気になって仕方ないです!