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『 ま、まろ……!』
「ん?」
『えっと、あの……その……』
焦って口をぱくぱくさせるないこを見て、俺は首をかしげた。
ないこの顔は真っ赤で、何かいいたげだった
『……っ、水! 水が欲しいかも、喉乾いちゃって』
「あぁ、そっか。ん、すぐ持ってくるな」
まろは立ち上がりながら、ちらっとないこの熱っぽい頬を確認する。
(……なんや、さっきから様子おかしい)
『…..っ?//』
「….す、すぐ持ってくるな」
ないこは布団の上で胸を押さえる。
(はぁ……言えるかな……?)
(でも、もしまろに振られたら……こんなふうに優しくしてくれてるのに…関係が壊れちゃったら、)
「あぶねぇ…」
「……ないこ?」
突然すぐそばから声がして、ないこはビクッと肩を跳ねさせた。
『ぁ…. な、何』
まろが座り込んで、コップを差し出す。
「ほら、水やで」
ないこはコップを受け取りながら、
自分の手が震えているのを悟られないように必死だった。
『……ありがと』
「ゆっくり飲みや。病み上がりなんやし」
喉を潤しながら、ないこはこっそりまろの横顔を見上げた。
昨日、あんなふうに甘く食べられたときの表情が思い出されて、胸が苦しい。
(言わなきゃ……。。)
ないこはそっとコップを置いた。
息を吸い、ほんの少しだけ震える声でまろを呼ぶ。
『……ねぇ、まろ』
「ん?」
『言いたいこと、あるんだけど…聞いてくれる?』
「もちろんや。」
まろは姿勢を正し、ないこの方に向き直った。