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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ずっと待っていた、貴方のことを。

いつか帰ってくるだろうって、ずっと期待していた。雪が降り積り、すっかり寒くなっても。日が落ちて、月が昇っても。何度、朝を迎えようとも。

ただただ、待っていた。貴方に、会いたいと願っていたから。

だから、私は。今でも貴方のことを待っているの。

♦︎♦︎♦︎

「お買い上げ、ありがとうございました」

コンビニの店員がそう頭を下げるのに合わせ、私も小さく頭を下げる。レジに置かれた袋を手に取り、そのままコンビニを後にした。

袋に入っているのは、チョコ味のアイスだ。アイスの封を切り、口に運ぶ。

「最近、また暑くなってきたな…」

湿度と暑さの暴力でどうにかなりそうだ。

「あっついぃ……」

隣で眠り姫がパタパタと、手を振って風を送っている。

「アイス、いるか?」

「あ、いいんですか!?いります!」

チョコ味のアイスを頬張りながら、眠り姫は嬉しそうに笑みを浮かべた。

2人でアイスを食べながら、目的地へと向かう。着いた先にあったのは、1つの銅像だった。

「これですか?通報があった場所って」

「みたいだな」

「うーん…」

眠り姫と一緒に、私も銅像を見上げた。なんの変哲もない、ただの銅像だ。

「これって、犬ですかね」

「みたいだな」

「名前は……あ、ないんですね…」

「無名の犬、という題名らしい」

「へえ……というか、異常とかは無さそうですね」

すんすんと匂いを嗅いだり、触ったら、眺めたりしたが変化や異常は特にない。至って普通の銅像だ。

だが、確かにここで通報があったのだ。銅像が動いてる、と。しかも、通報した女性によると、なにやら銅像から変な匂いがしたそう。

「あれって、やっぱり《怪物》の仕業なんですかね?」

「さあ?通報者は飲酒をしていたそうだからな、もしかしたら幻覚の可能性だってある」

「飲酒の量にもよりますよね、軽くならそんなに支障はなさそうですけど…」

「結構飲んでいたそうだが」

「あちゃあ、結構飲んでるなら幻覚の可能性大ですけど…」

まあ、必ずしも幻覚とは限らない。常識離れした存在、それが《怪物》なのだから。

「まっ、まずは見張っていよう。何も無かったのなら、それはそれでいいしな」

「それもそうですね。えっと、じゃあどこで…」

「野宿だ」


「えっ?」

眠り姫の顔に「嘘でしょ?」と書かれているのが目に見える。

が、実際そっちの方がいいと思うのだ。ホテルなど予約しても、その距離を移動する時間が勿体ない。それに、万が一何かが起こった時、遅れては困る。

「と、いうことだ。一応、野宿用の物は持ってきた」

「えっ、いやいやいや。嘘…ですよね?」

「何だ、野宿が嫌なのか?」

「え、えっとお…本当に…するんですか?」

「それ以外に何かあるのか?」

うっと言葉に詰まる眠り姫。

「諦めろ。諦めて、準備手伝え」

「ひええ…」

悲鳴混じりの声が聞こえたが、気にしない気にしない。

♦︎♦︎♦︎

深夜二時、銅像前にて。

ふと、思うことがあるのです。あれ…私、何で野宿してるんだろうって…。

「野宿もいいじゃないか」

「良くないっ!?」

私無理ですから!全然無理ですから!分かりますか!?暑い中野宿させられる人の気持ちは!?

「かーえーりーたーいー!」

帰って早くシェフの作ったお料理が食べたいです!何が悲しくこんな野宿を!

「まあまあ、ほら、空を見上げてみろ」

「は、はい…?」

「あの星と、あの星を繋いでみろ」

鴉さんが差した方向に、私も目を向けます。

「そうしたら…」

「そうしたら?」

「なあんもない」


……。

ええ、そうですね、期待するのがだめだったんです。だって、あの鴉さんですもん、あの!鴉!さん!ですもん!

落ち着きなさい、眠り姫…。ハッ!そうですよ私眠り姫じゃないですか!

なら寝ないと!誰かー!布団を持ってきてくださるー!?

「お布団っ!お布団が恋しいっ!」

「うるさいなあ、《怪物》にバレたらどうするんだよ」

「いいいじゃないですかあ、それか銅像いっそぶっ壊したり…」

「馬鹿なのかお前は?」

馬鹿って…。やだ、私はいつまで経っても正常ですよ?

ーーがさっ。

「…!」

「ひっ…!?」

後ろから音が…?今の、草の音だと思うんですけど…。鴉さんの表情と纏う雰囲気が一気に厳しくなります。

一応、鞘を手に取り戦闘態勢を整えます。私達は音の方向へゆっくりゆっくりと近づき…。

「ーー警戒は不要」

「……お前」

後ろからまた聞こえる声。鴉さんの呆れたような声が聞こえます。これ…振り向いても大丈夫なやつでしょうか?

ちらっと後ろを見ると…そこには黒いマントを着た人影がありました。あの姿…まさか。

「蝙蝠、か」

「…久し振り、鴉」

そう呟かれた声は、どこか楽しそうなものでした。

魔法少女の死にゆく先

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コメント

1

ユーザー

眠り姫ちゃんの口調ブレブレで草…直すの面倒だなあ…

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