コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
蓮の家で過ごし始めてから1週間
そろそろこの世界の暮らしにも慣れてきた
けど、最近気になっていることがある
それは、夢のことだ
なんてことない夢
ただ、何が少し引っかかる
真っ暗な空間の中で声が聞こえる
“レオン”という人の無事を、神様に祈っている
その夢は毎日出てくる
最初は普通に過ごしているうちに忘れていたが毎日出てくるのでさすがに忘れられなくなってきた
「亮平!!」
突然、大声で名前を呼ばれた
「え!?なに?」
「なにじゃないよ。ずっと呼んでんのに全然答えてくれないんだもん」
どうやら夢のことを考えてボーッとしていたらしい
何回も蓮が呼びかけてくれたのに答えなかった
「ごめん……」
申し訳なくて顔を下げると、蓮が俺の顔を両手で挟んで無理矢理俺の顔を上に上げた
「いいよ笑」
「ごめん、で、なに?」
「いや、そろそろこの世界の暮らしに慣れてきたかなぁ?って思って」
「うん。もう慣れてきたよ」
「なら良かった」
それでも、蓮はまだ不安そうな顔をする
「なに?笑嘘だと思ってるの?」
俺はさっきされたように蓮の顔を両手で挟む
でも、それは優しく、包み込むように、だ
「全然、なんともないから、ね?」
「なら、いいんだけどさ……」
「亮平、最近何かボーッとしてることが多いから……」
それを言われて、ドキッとする
そんなことまで、分かってんのか……
「亮平は、この世界の人間じゃないし、大丈夫そうに見えても無意識に疲れてるんじゃないかなって 」
疲れてる…か
もしかしたら、あの夢も疲れてるからなのかな?
「ねぇ、蓮」
気付いたら、俺は夢のことを蓮に話していた
「レオン…かぁ……」
蓮はジッと俺の顔を見る
「今考えて見れば、その人の声、蓮に似てる気がする」
「俺に?」
「うん」
「ふぅん……」
「ッ……!?」
急に、蓮が頭を抱えた
「え…?」
「蓮?蓮!?」
どうすればいいのか分からなくて、ずっと蓮、と名前を呼んでいた
蓮が、顔を上げる
その顔は汗まみれだった
息遣いも荒かった
そんな蓮の様子が心配になったが、次の一言で、心配は吹き飛んだ
「俺は…ルカだった……」
「え…?」