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枢空乃希
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放課後の教室。
窓から差し込む夕焼けが、机の上を赤く染めていた。
pr「……まだおったん?」
ガラッと扉を開けながら入ってきた彼に、机へ向かっていたもう一人が顔を上げる。
ak「そっちこそ。帰ったと思ってた」
pr「いや〜、先生に捕まっててん。ほんま災難やわ」
そう言いながら隣の席にどかっと座る。
相手は呆れたように笑った。
ak「文化祭の作業、ちゃんとやる気あったんだ」
pr「失礼やな!?俺かてやる時はやるで?」
軽口叩きながらも、手はちゃんと動いている。
紙を切って、テープを貼って、気づけば自然と作業の息もあっていた。
ak「はい、ハサミ」
prお、さんきゅ」
指先が少し触れて、どちらともなく黙る。
静かな空気が流れた。
いつもなら騒がしい彼が、珍しく小さな声で呟く。
pr「……なんか、こうして二人でおるん、ええな」
ak「え?」
pr「いや、その……落ち着くっちゅーか」
照れ隠しみたいに頭をかく姿に、思わず笑ってしまう。
ak「ふふ、なにそれ」
pr「笑うなや! 俺だってたまには真面目なこと言うねん!」
真っ赤になって抗議する彼を見ていると、胸の奥がじんわり熱くなる。
夕焼けの色が、さらに濃くなった。
ak「……俺も、落ち着くよ」
その言葉に、彼は一瞬目を見開いてから、ふっと優しく笑った。
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