テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
しらなみ
124
#鬱展開
Mist-404
1,765
#衝撃のラスト
山根利広
506
番外編「古流斬を確保しろ!~休みをください編~」
朝。
防衛軍本部。
古流斬は今日の予定表を見た。
「……。」
「今日こそ休みだよな?」
その瞬間、ケイトがやって来る。
「悪い古流斬。」
「今日、新人教育頼む。」
古流斬は無言で予定表を見る。
「……はい、一個追加。」
そこへ通信機が鳴る。
『古流斬、聞こえるか。』
閻魔だった。
「何?」
『地獄で凶暴な猛獣が暴れておる。』
『傲慢と一緒に討伐を頼む。』
古流斬は固まる。
「……。」
「俺、休みじゃなかったっけ?」
『終わったら休ませる。』
「その台詞、この前も聞いた。」
⸻
地獄。
古流斬と傲慢は猛獣の前に立つ。
「さっさと終わらせるぞ。」
「おう。」
次の瞬間。
猛獣そっちのけで二人の剣がぶつかった。
ギィン!!
猛獣は目を丸くする。
古流斬は笑う。
「おっ、いい反応。」
傲慢も笑う。
「少しだけ手合わせだ。」
閻魔が遠くから叫ぶ。
「おーーーい!!」
「先に猛獣を倒さんかーーーい!!」
二人は顔を見合わせる。
「あ。」
「忘れてた。」
わずか三秒で猛獣を討伐。
そしてまた手合わせを始めようとする。
「だから遊ぶなーー!!」
⸻
一方その頃。
防衛軍。
新人たちはざわついていた。
「古流斬教官は?」
ラントが苦笑する。
「……地獄。」
新人たち。
「え?」
ケイトはため息をつく。
「戻ってきたら教育。」
「終わったら書類。」
「そのあと巡回。」
新人たちは顔を見合わせた。
「休みは?」
ケイトは静かに首を横に振る。
「ない。」
⸻
夕方。
ようやく現世へ戻ってきた古流斬。
「休み……。」
「休みくれ。」
「休み。」
「休みぃぃぃ!」
そこへ閻魔が笑顔で現れる。
「古流斬。」
「もう一件だけ。」
古流斬は満面の笑みで答えた。
「嫌。」
「絶対嫌。」
「今日は帰る。」
「アイス食って寝る。」
そのまま全力で逃走。
閻魔は追いかける。
「待てぇぇ!」
古流斬も負けじと叫ぶ。
「俺に休みをくれぇぇぇ!!」
その様子を見ていたケイトは苦笑した。
「……今は忙しい時期だからな。」
ラントも肩をすくめる。
「終わったら、ちゃんと休ませてやらないとな。」
しかし、その言葉を聞いた古流斬は振り返って一言。
「その『終わったら』が来ねぇんだよ!!」
防衛軍本部には、古流斬の悲痛な叫びがいつまでも響いていた。
コメント
1件
いやあ、今回の番外編、めちゃくちゃ笑いました(笑) 作者自らが休みを求めて逃走するギャグ、しかも地獄で猛獣そっちのけで傲慢と手合わせ始めるあたり、“古流斬節”が炸裂してて好きです。 「終わったら休ませる」の台詞が永遠に来ない切なさと、最後の逃走劇のコミカルさのバランスが絶妙。 ケイトやラントの苦笑いも含めて、キャラ同士の関係性がよく見える楽しい一話でした。 古流斬さん、お疲れ様です…!