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阿「すみません、最近何か咳が多くて、呼吸も少しづらいような感じがするんですけど、」
看「分かりました、検査しますので座ってお待ち下さい。」
阿「分かりました。」
…
看「阿部さん!」
阿「はい、」
看「検査結果が出ました。どうぞ、中へ。」
…
阿「お願いします、」
医「阿部さんですね、大変言い難いのですが、阿部さんは心臓の病気です、」
阿「えっ、」
医「呼吸がしづらいとの事でしたよね。阿部さんの病気は慢性心不全というものです。」
医「足の浮腫とか最近ありませんか?」
阿「少し気になってはいました、」
医「呼吸のしづらさや足の浮腫は心不全の前兆なんです。」
…
慢性心不全というのは、症状が良くなったり、悪くなったりを慢性的に経過する状態の事らしい。急変する場合もあるとかないとか…、
そして多くの人が1年以内に急変して命を落とす、とか
医「阿部さんが急変しない、という保証はどこにもありません。」
医「しかも阿部さんは普段、歌って踊っていますよね。やっぱり、普通の人よりも心臓にかかる負担は大きいと思うんです。」
医「急変したら移植しか手はありません。ドナーが見つけるのも結構難しいです。」
急に心臓の病気だと言われて余命は1年、信じ難い状況に頭が混乱していた。
しばらく自分で考えてやっと受け入れる事が出来たと思ったら、
医「治療は、今のうちからしていた方がいいと思います。」
阿「その場合は、入院ですか。」
医「ドナーが見つかるまで待機、という事になりますね。長期的にはなると思います。」
阿「そう、ですよね、」
医「慢性心不全はいつ急変するか予測が付けづらいんです。」
阿「…。」
これからの事を考えたら治療はしといた方が良いのかもしれない。でもSnowMan5周年に向けてこれから動くっていう話だったのに休止するなんて俺には出来ないと思った。
阿「何とか、入院しない方法はありませんか。」
医「薬で、普段の症状を抑える事は出来ます。しかし、根本的な解決にはならないので、急変する可能性が下がるという訳では…」
阿「それで、お願いします。」
医「…それで、良いんですか。」
阿「今休みたくないんです。」
医「阿部さんに薬での治療、と言われてしまうと、私は余命1年としか言いようが無くなってしまいますよ…。」
阿「ッ。」
俺だって死にたくない。でも、今のSnowManをちゃんと自分がその場に立って支えていきたい、
阿「…入院は出来ません、薬での治療でお願いします。…お願い、します…。」
医「分かりました、でも様子は観察したいので1週間に一度は病院に来て下さりますか?」
阿「分かりました、」
家に帰って、普段飲む薬と、急に症状が出た時用の薬と…、大量の薬を見て、自分が病気だという事が現実に突きつけられた。
その日はその現実を信じたくなくて、めいいっぱい泣いた。
やっと落ち着いて、ベットの上で、天井を見上げて、
阿「あと1年…か…。」
阿「これで、良かったんだよね、」
阿「SnowManとして活動して、ファンの方も増えて…、」
阿「1年後には死んでいく…。」
阿「でも、俺はもう、幸せ、だし。」
阿「幸せ…だし…。泣」
阿「…あれッ?何でッ涙ッ。泣」
全然テレビに出られない時からずっともがいてきて、今では毎日忙しく働いてる。自分で5周年まで走るって決めたのに、涙は止まらなかった。
阿「やり…残した事、でも、あっ、たっけ?泣」
阿「でもどうせ、あと1年だもんな…泣」
朝、いつもよりもだいぶ早く目が覚めた。
昨日の出来事が夢だったら良かったのに、現実だと教えてくれているかのように、机の上には大量の薬。
朝の分の薬を飲んで、準備して、時間が余った。
阿「やり残した事、全部しよう。」
そう思って、紙にしたい事リストを作ってみる事にした。
阿「何だろう、やっぱりZIP?パーソナリティしたいなぁ…。」
阿「オリンピックとか見に行ってみたいなぁ…。」
そうしていくつか書いている間に目には涙が溜まっていた。
阿「死にたくないよ…。泣」
阿「…誰か、助けてよ…。泣」
誰か、と口では言っているものの、自分が追い込まれている時に思い浮かぶのはいつもめめの顔。
そうしてリストに、最後の2つを追加した。
めめへの気持ちをはっきりさせる。
そして、
SnowMan全員で5周年を迎える。
この前までは、SnowManで何年も、何十年も、皆で活動してよう、と話せていたのに。今では1年後を目指すのに必死。
それでも、1日1日を元気に生きていくしか今の俺には出来ない。
阿「頑張れ、俺。」
自分を励まして、仕事に向かった。
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