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第五話:謝罪と誤解と小さな影
「なぁ、アレ……どう見ても怒ってたよな?」
「当たり前だ。あの空気読めへん発言に、誰が怒らないんだ」
国連の会議室に取り残された面々――アメリカ、イギリス、中国、イタリア、ドイツ、カナダ、フランス、ソ連、ナチス、イタ王たちは、凍りついた空気の中で互いの顔を見合わせていた。
「……とりあえず謝罪しに行こ。後悔は先に立たん、って昔の人も言うてるだろ」
「それ、先人の知恵というより、お前の口癖だろ」
「うるさい、ドイツ!早く行くぞ!」
こうして、日帝たち4兄弟の家とされる場所――”例の家”へと、どよめきながら向かう国々。
玄関の前で、全員固唾を飲む。
「アメリカ、お前が押せ」
「……俺? お前が原因作ったのに?」
「お前が一番陽キャでしょ。愛されキャラで行来なさい」
「ちくしょう……」
ピンポーン。
チャイムの音が鳴ると、すぐさまガチャリとドアが開いた。
「……にいにっ!!」
小さな足音が響いたかと思うと、どこからともなく現れたちっちゃな影――白いパジャマ姿に赤くつぶらな瞳の少年が、勢いよく飛び出してきて――
「にいに、さっき行ったばっかやのに……またすぐ帰ってきてくれて、ありがとぉ……っ」
ぽろぽろ涙をこぼしながら、その小さな腕でがばっとイタリアの腹にしがみついた。
「えっ……えっ!? な、なんか……抱きつかれてるなんね!?!?!?io!?!?」
「お、おい、誰この子!?!?!?」「し、知らん、けど……家間違えてるんじゃねえか!?」「っていうか何語喋ってるアル……?日本語……?か?これ」
「え、え、え、ど、どーするんね、!!io、抱き返すべきなんね!?でもそれも誤解生むんね!?!?」
「アホか落ち着けイタリア!離せ!!泣いてる!」
「だ、だってこの子めっちゃ泣いてりなんね!無理なんね!!」
「そもそも誰!?誰!?!?!?」
ざわつく大人たちの中で、小さな日本はすんすんと鼻を啜りながら、イタリアの服に顔をうずめたまま離れようとしない。
「にいに……帰ってこーへんと思った……また、置いてかれたかと……」
そのつぶやきに、場の空気が一瞬で凍る。
「……まって、まさか今のが……”5人目の兄弟”って……ことか……?」
「そ、そそそそそそ、そんな話聞いてないで!!」「誰も知らんよな!?!?この子の存在!」
「……どうする……謝るってだけのはずが……話が別の方向に……!」
背筋が凍る中、イタリアは未だにショタ日本に抱きつかれたまま、涙目で周囲を見渡す。
「え、io、これどうしたらいいなんね!?!?!」