俺が気づかないフリをすればするほど、スタッフAの行動は大胆かつ陰湿になっていった。そしてその毒牙は、ついに俺とメンバーとの間に向けられ始めた。
ある日のリハーサル後、リーダーの照が少し険しい顔で俺のところにやってきた。
💛康二、ちょっといいか
🧡ん?どしたん、照にい
💛…今回の演出について何か思うことあるなら、直接俺に言ってほしい
突然の言葉に、俺はきょとんとするしかなかった。
🧡え?めっちゃええと思うけど?今回のダンス、最高やん!
💛…そっか…ならいい
照はそれだけ言うと、どこか納得いかない顔で去っていく。何のことかさっぱり分からなかったけど、その数日後、今度はふっかさんに呼び止められた。
💜康二さ、最近なんかあった?悩みとかなら聞くぞ
🧡え、ふっかさんまでどうしたん?俺はいつも通り、元気印の万能調味料やで!
おどけてみせると、ふっかさんは困ったように笑って、「…そっか。まあ、溜め込むなよ」と俺の頭をポンと叩いて去っていった。
みんなの様子が、明らかにおかしい。俺を見る目が、どこか探るようで、少しだけ冷たい。
その理由が分かったのは、偶然聞いてしまったAと他のスタッフとの会話だった。
A「いやぁ、向井くんも最近ちょっと疲れが出てるんですかね。『照くんの演出、ちょっと自己満っぽいんすよね』なんて愚痴、俺聞いちゃいましたよ」
血の気が引いた 。
俺はそんなこと、一言だって言っていない。
あの時の照の顔がフラッシュバックする。
あいつは、俺が言ってもいない嘘をメンバーに吹き込んでいるんだ。
💙康二、お前もうちょいちゃんとやれよ。 見てる方は分かるんだからな
❤️周りへの感謝を、忘れてはいけないよ
遠回しに、でも明らかに俺の態度を咎めるような言葉をかけられるようになった。
阿部ちゃんやさっくん、ラウールも、前みたいに無邪気にじゃれついてきてはくれなくなった。
楽屋で俺が何か面白いことを言っても、みんなの笑い声はどこか乾いていて、すぐに途切れてしまう。
🧡(違うよみんな… 俺はそんなこと言ってない! やってない…!)
心の中でいくら叫んでも、声にはならなかった。
弁解しようにも、Aがいつどこで、どんな嘘を吹き込んでいるのか分からない。
俺が何か言えば言うほど、それは「言い訳」に聞こえてしまう気がした。
メンバーの間に、見えない壁ができていく。
それは日に日に厚く、高くなっていった。
俺はただ、その壁の前で立ち尽くすことしかできず、徐々に、確実に孤立していった。
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続きガチ気になる!